自分自身で果樹を育てるメリットは、無農薬、または無農薬に近い状態で行うので、履歴がはっきりしていてよくわからない市販品よりは安心、安全であるということが挙げられます。売り物でなければ見た目が多少汚くてもOKです。また、鉢植えのメリットを挙げてみると、庭植えより鉢植えの方が冬に室内に移動できたりするので、移動によって生育環境を調節できるということが挙げられます。そういう意味で鉢植えの方がより広範な種類の果樹を栽培できます。そして耐寒性のあるものに限っては、より多く収穫したいと思ったらもっと根を張ることができる地植えにする方法もあります。
このサイトでは、果物を食べたあとの種を捨てずに育ててみることに取り組みます。ただ、種には休眠打破しないと発芽しないものがあります。例えば、パッションフルーツは夏に食べて種をすぐに蒔いても間もなく発芽します。しかし、桃やリンゴは食べてすぐに種を蒔いても、一冬越えてから発芽します。これは、寒さを経験して春に休眠打破したことによります。でも、秋に発芽しないといっても、種は乾燥させるとあとで発芽率がかなり落ちるので、たとえ発芽しなくても食べたあとに蒔いておくのがよいと言われています。そのようなことも含めて、発芽までは長くても半年以内のスパンで楽しむことができます。
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フルーツを食べて種から育てる
接ぎ木苗と実生苗でどう違うか!
市販の苗木は接ぎ木苗です。種を発芽させて育てた苗は実生苗と言われます。一般に実生で育てた果樹には元の品質の果実は付かないといわれているので、接ぎ木苗が売られています。しかし、実生苗は全く役に経たないかというと必ずしもそうではなく、実生苗からもかなり低い確率ですが優良品種が発見される可能性もあります。確率は1/1000とか1/10000とか言われています。例えば1000本に1本の確率で新しい品種ができるとすれば、1000本育てた時にやっと1本という非効率な仕事になります。それを実施するのは困難です。なぜならば、実生苗を数多く育てる広大な敷地がないことと、実が生るまでに長い年月がかかるという問題点があるからです。でも、それはあくまでも確率の問題であるわけで、自分が育てた1本がたまたま凄く良い品種である可能性もあるわけです。接ぎ木の苗木と異なり、ひょっとしたら品質の優れた新品種が発見されるかもしれません。
種から育てると実が生るまでに20年〜30年ぐらいかかるといわれたりするカボスなどもあれば、2年で実が生るイエローストロベリーグァバがあったり、いろいろです。比較的短期でちゃんとした実が生るものがモチベーションが維持しやすいと思います。対象の果樹の性質をよく知った上で育てると、また別の楽しみ方ができます。
フルーツの持続可能性
フルーツを食べて、その種を発芽させ、木を育てて、そこからまた実を収穫するというのは、たとえ実の品質が元の果実より劣っていたとしても広義で持続可能性があると言えるのではないでしょうか。本来、持続可能性(サステナビリティ)という言葉は枯渇性エネルギーをいかに減らさずに再生可能エネルギーで置き換えて行けるかという意味で使われます。つまり、枯渇性エネルギーは持続可能性はないが、再生可能エネルギーは持続可能性があるということになります。このように本来の意味は地球環境が生物の生存環境を維持できるという意味です。
この文脈でいけば、フルーツを食べて、その種を蒔いて、それが木になって、さらに多くの実を付けて、そこから種が採れて、さらに発芽するというサイクルは、品質に目をつぶれば広い意味で紛れもなく持続可能性があると言えると思います。
このサイトの目的
このサイトでは、捨てる種を蒔いていたらどうなるかを確認することを目的としています。例えば、イエローストロベリーグァバは発芽して2年で実が生りますが、地植えすると冬に寒さで枯れてしまうので、鉢植えにして室内で越冬しなければなりません。そのような知見をもっと増やして、お手製果実の種類をもっと増やしたいのです。その際に、発芽させるために脱脂綿に水を含ませてその上に種を置いて室内で観察するといった方法もありますが、ベランダのプランターの土に捨てたものとして、できるだけ自然に近い形で行います。その方が、他の人が実施する時にも参考になると思うからです。日常の中にちょっとした楽しみを見つけることもできそうです。発芽の結果が出るのは2016年の春になります。2015年末にたくさん仕込みましたが、発芽結果が出るのは2016年ですので、"果報"は寝て待つことにします。
2015年末から2016年2月上旬までの発芽状況は下表のようになっています。雪が降った時に枯れたりしましたが、あくまでも発芽したかどうかを重視しています。
(2個目) |
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(1月24日の雪の後に枯れた) |
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(1月24日の雪の後に枯れた) |
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(1個目) |
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2018.5.11 |
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(紀州みかん) |
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(不知火柑) |
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