3-1. 平叙文
事実や考えなどをそのまま述べる文で、原則としてS+Vの語順をとり、文尾に終止符(Period)を付ける。平叙文には肯定文と否定文とがある。
S+V+〜.
3-1-1. 肯定の平叙文
The sky is very cloudy today.(今日は空がたいへん曇っている) |
We shut all the windows.(我々はすべての窓を閉めた) |
3-1-2. 否定の平叙文
He will not be back before seven.(彼は7時前には帰らないでしょう) |
I don't study after school.(私は放課後勉強をしません) |
3-1-3. 否定文の作り方
3-1-3-1. be動詞・助動詞のある文
The sky is clear.(空は晴れている)→ The sky is not clear.(空は晴れていない) |
Jill can climb trees.(ジルは木登りができる)→ Jill cannot climb trees.(ジルは木登りができない) |
can, have, have gotの否定文
① canの否定形は、アメリカ等ではcan notと離して書くこともあるが、イギリスではcannotのように1語で書く。
② have [has] はふつう一般動詞として扱うが、イギリスでは「持つ」という意味で使われる時に、その否定文はbe動詞と同じくhave not [has not]を使う。ただし、「持つ」という意味以外に使われる場合には一般動詞として扱う。
I haven't many friends in Tokyo.(英)
I don't have many friends in Tokyo.(米)
I don't have breakfast on Sunday.(英)(米)
③ 口語ではhaveの代わりに、しばしば(特にイギリスで)have gotが使われるが、この場合の否定文はhave not gotになる。
I haven't got much money.(あまりお金を持っていない)
3-1-3-2. 一般動詞
動詞の前にdo (does, did)を置く。
S+do(does, did) not+V(原形) |
She likes music.(彼女は音楽が好きだ)→ She doesn't like music.(彼女は音楽が嫌いだ) |
He arrived in time.(彼は間に合った)→ He didn't arrive in time.(彼は間に合わなかった) |
3-1-3-3. can't, isn'tのような形の短縮形
is not→isn't, are not→aren't, was not→wasn't, were not→weren't, have not→haven't, has not→hasn't, had not→hadn't, do not→don't, did not→didn't, can not→can't, could not→couldn't, will not→won't, would not→wouldn't, shall not→shan't, should not→shouldn't. am notについては、例えばI am notはI'm notとする。ain'tいう言い方があるが、標準英語ではない。ain'tは am notの短縮形であるが、最近ではis not、are not、have not、has notを短縮したものも含まれている。
そうすると、例えば、ビートルズの「Eight Days A Week」の中の歌詞「I ain't got nothing but love」は、(イギリス英語ではhaveは「持っている」の意味に限って否定形はhave notにできるので)I have not got nothing but love → I don't have got nothing but love =(have got = haveより) I don't have nothing but loveとなり、口語では二重否定ではないのでI have nothing but loveとなる。このbut〜は「〜以外」なので、最終的に、「love以外は何も持っていない」と解釈することができる。もう一つの考え方は「nothing but = only」と見て、「I have only love」→「loveだけを持っている」→「loveしかない」となる。いずれにしても同じような意味になる。
ain'tを含むビートルズの歌詞
Eight Days A Week | I ain't got nothing but love |
Another Girl | I ain't no fool and I don't take what I don't want(俺は馬鹿じゃないから欲しくない物は取らないよ) |
Helter Skelter | You may be a lover but you ain't no dancer |
Yer Blues | If I ain't dead already(まだ今は死んでいないとしたら) |
Revolution | You ain't going to make it with anyone anyhow |
The Ballad Of John And Yoko | You know it ain't easy(まったく簡単じゃないぜ) |
Roll Over Beethoven | Ain't got nothing to lose(失うものは何もない) |
Can't Buy Me Love | Say you don't need no diamond rings(ダイヤの指輪なんかいらないと言ってくれ) |
Happiness Is A Warm Gun | I know nobody can do me no harm(誰も俺に害を与えることなのできないさ) |
Oh! Darling | I'll never do you no harm(決して君を傷つけたりしない) |
Something | That I don't need no other lover(ほかの恋人) |
3-1-4. not以外の否定語を用いた否定文
not以外に、never,hardly, nobodyなどを使って否定を表わすことができる。
He will never succeed in anything.(彼は何事にも決して成功しないだろう) |
I could hardly follow him.(彼の言う事がほとんどわからなかった) |
Nobody knows it.(誰もそれを知らない) |
I think he will not come.とI don't think he will come.
日本語で「彼は来ないと思う」という場合、英語では否定をできるだけ前に出して、I don't think he will come.とし、I think he will not come.とは言わない。日本語で直訳すると前者は「彼は来るとは思わない」となり、後者は「彼は来ないと思う」となるが、前者もふつうに「彼は来ないと思う」としてよい。同様に、「彼は嘘つきではないと思う」は、I don't think he is a liar.となる
3-2. 疑問文
疑問を表わす文では、ふつう主語と動詞の語順をかえるか、疑問を表わす語(do(助動詞)やwh-(疑問詞)など)を前に付ける。文尾には疑問符(?)を付ける。
疑問文は、どのような答えを求めているかによって次のように分かれる。
1 | 一般疑問文 | 聞く内容について、yesかnoかの判断を求める文 |
---|---|---|
2 | 特別疑問文 | ある事実について、説明を求める文 |
3 | 選択疑問文 | 2つ(またはそれ以上)の選択肢の中から1つを選ばせる文 |
4 | 付加疑問文 | 相手に念を押したり、同意を求めたりする文 |
3-2-1. 一般疑問文
3-2-1-1. be動詞・助動詞のある文
be動詞や助動詞を主語の前に出す。(文尾を上げて言う)
Be動詞+S+〜?
v(助動詞)+S+V+〜?
Are you married?(あなたは結婚していますか)ーYes, I am./No, I am not. |
Can you play the guitar?(あなたはギターを弾けますか)ーYes, I can./No, I can't. |
3-2-1-2. 一般動詞の文
文の始めにDo (Does, Did)を置き、動詞を原形にする。(文尾を上げて言う)
Do(Does(三単現), Did (過去))+S+V(原形)+〜?
Do you know the fact? ー Yes, I do./No, I don't. |
Does he know the fact? ー Yes, he does./No, he doesn't. |
Did you know the fact? ー Yes, I did./No, I didn't. |
3-2-1-3. 否定の疑問文
be動詞・助動詞・一般動詞、いずれの場合もnotを主語の後に付ける。口語では短縮形を主語の前に出す。
Are you not careful? [Aren't you careful?] ー Yes, I am./No, I am not [No, I'm not]. |
Could you not meet him? [Couldn't you meet him?] ー Yes, I could./No, I could not [No, I couldn't]. |
Do you not play tennis? [Don't you play tennis?]ー Yes, I do./No, I do not [No, I didn't]. |
※ ① 否定の疑問文の答え方
A: I can't do such a difficult job.(私にはそんな難しい仕事はできません)
B: Yes, you can.(いいえ、あなたならできます)
A: He is not a gentleman.(彼は紳士なんかじゃないよ)
B: No, he isn't.(その通り、ひどいやつだ)
② mindのある疑問文
mindのある疑問文に対する答えは、Noの場合は同意、Yesの場合は拒絶を表わす。mindは「いやと思う」という意味だからである。
A: Do you mind if I open the window?(窓を開けてもかまいませんか)
B: No, not at all. (No, go right ahead, please.) (ええ、どうぞ)
A: Would you mind reading it to me?(ちょっと読んで聞かせてくださいますか)
B: I'm sorry I can't. It's top-secret.<拒絶>(残念ですが、極秘事項ですので)
平叙文+?=疑問文
平叙文の文尾に疑問符をつけて疑問文にすることがある。驚きやあやしみの念を表わす場合が多く、ややくだけた調子になる。
You have no money?(あなたはお金を持ってないの?) |
He has failed again?(彼はまた失敗しちゃったの?) |
3-2-2. 特別疑問文
疑問代名詞what, who, which, 疑問副詞when, where, why, howを文の始めに置き、文尾は下げて言う。疑問詞のあとは一般疑問文の語順になる。
Wh-+be+S+〜? Wh-+do (does, did)+S+V(原形)+〜? |
疑問詞は文中で、主語、目的語、補語、修飾語(副詞)などの働きをする。ただし、疑問詞が主語になる場合には、語順は平叙文と同じになる。
Wh- (S)+V(原形)+〜? |
Who is the man standing there? ー He is my father.<補語> (あそこに立っているのは誰ですか ー 私の父です) |
Which do you prefer, whisky or brandy? ー (I prefer) Whisky.<目的語> (ウィスキーとブランディーのどちらが好きですか ー ウィスキーです) ※ この文は特別疑問と選択疑問とが組合わさったものと考えられる。 |
Who are you waiting for? ー I am waiting for Mary.<目的語> (誰を待っているのですか ー メアリーを待っています) ※ この文ではWhoは前置詞forの目的であるから、本来Whomとなるべきであるが、文頭に来た場合は口語ではWhoを用いることが多い。 |
How do you go to school? ー I go to school by bus.<副詞> (学校へ何で行っていますか ー バスで行っています) |
Why did you tell a lie? ー Because he forced me to (tell a lie).<副詞> (なぜ嘘をついたのですか ー 彼が強要したからです) |
Who told you such a thing? ー Tom (did).<主語> (誰があなたにそんなことを言ったのですか ー トムです) |
鸚鵡(おうむ)返し
相手の言ったことが部分的に聞き取れなかった場合などに、わからなかった部分を疑問詞にして、オウム返しに聞くことがある。
He was born in Athens.において、Athensが聞き取れなかった場合、He was born where?(生まれはどこですって?)、Heが聞き取れなかった場合、Who was born in Athens?(誰がアテネ生まれですって?)と聞く。
3-2-3. 選択疑問文
選択疑問文はAまたはBを選ばせる疑問文で、語順はまず一般文の形でAを示し、あとにor Bを加える。
一般疑問文A or B? |
Is he an English or an American? ー He is an American.(彼はイギリス人ですか、アメリカ人ですか ー アメリカ人です) |
Do you go to school on foot or by bicycle? ー I go to school on foot.(学校へは歩いて行きますか、自転車で行きますか ー 歩いて行きます) |
3-2-4. 付加疑問文
平叙文のあとに付加的に付ける短縮形の疑問文。口語文でよく使われる。
肯定文+aren't you, don't you?など→肯定の答えを予想する |
否定文+aren't you, don't you?など→否定の答えを予想する |
念を押す気持ちの場合は文尾を下げる。 軽い問いの気持ちの場合は文尾を上げる |
You are tired, aren't you?(疲れているのでしょう) You aren't tired, are you?(疲れてはいないのでしょう) |
You went there, didn't you?(あなたはそこへ行ったのでしょう) You didn't go there, did you?(あなたはそこへ行かなかったのでしょう) |
※ 付加疑問文の(助)動詞は、前の文の(助)動詞に一致する。ただし、一般動詞の場合はdo (does, did)を用いる。
命令文 〜 will you?
Let's 〜, shall we?
命令文やLet'sに付ける付加疑問文は調子を和らげるのに用いられる。命令文にはwill (won't) you?, Let'sにはshall we?を用いる。
Read me the letter, will you?(手紙を読んで聞かせてくれる?) |
Let's go for a drive, shall we?(ドライブに行かない?) |
修辞疑問
形式は疑問文であるが、答えを要求するものではなく、反語的に自分の感情を強く相手に伝えようとする文を修辞疑問という。修辞疑問とふつうの疑問文との区別は文脈による。修辞疑問ではふつう動詞または助動詞に強勢を置く。
Who knows? (= Nobody knows.)(誰が知るもんか ー 誰も知らないさ) |
Who can move such a heavy stone? (= Nobody can move such a heavy stone.)(誰がそんな重い石を動かせようか ー 誰にも不可能だ) |
次のような修辞疑問の形が口語文でよく使われる。
Why don't you (Why not) join us?(仲間に入ったらどう) |
What would I not give to see her again? (= I would give anything to see her again.)(彼女にもう一度会えるならどんな犠牲でも払う) |