植物栽培におけるさまざまなQ&A
Q&A about fruit tree growing
植物栽培に関するいろいろなQ&Aを簡単にまとめています。

表1 植物栽培のノウハウ
植物がよく育つ土 | 団粒構造の土。 |
団粒構造 | 「通気性」「排水性」「保水性」「保肥性」の4条件を満たしている。 |
土を耕す理由 | 土に空気を入れて、微生物を活性化させる。 |
庭土の改良 | 連作障害の排除や欠けている養分を補うため。 |
石灰 | 弱アルカリ性の土にするため。 |
有機物を土に加える必要があるのか | あります。 |
用土をふるいにかける理由 | 微塵をふるった用土は水捌けと通気性が向上するから。 |
鉢土のブレンドの理由 | 土の性質を改善するため。 |
植物とブレンド比 | 植物によって土のブレンド比は異なります。 |
腐葉土の有機物は完熟 | 窒素飢餓を起こすといけないので、完熟した有機物を与えます。 |
針葉樹は腐葉土に適さない | 針葉樹は腐りにくいのと、植物の生育に有害なテルペン類を含むので、広葉樹を用います。 |
土に白い糸状のものがあったら | カビか線虫かを見極めて土壌消毒か、土の入れ替えを行う。 |
表2 種まき・植え付けのノウハウ
植物によって種まきの方法が異なる? | 種によって温度、水分、酸素、光など発芽に必要な条件が異なるから。 |
苗半作(なえはんさく) | 良い苗を育てれば収量の半分が保障されるという意味。 |
良い苗の見分け方 | 良い苗は葉っぱの色がよく、節間が詰まっていて、病気になっていなくて、害虫もいないもの。 |
植え付け時期と育ち方 | 適期に植え付けないと影響大。 |
苗と苗の間隔 | 生長した時にとなりの苗にぶつからない間隔。 |
ポット上げ | できるだけ根を傷めないためにも、大きくなりすぎる前がよい。 |
タネ蒔き資材 | セルトレイ、ピートバン、ピートポット。 |
植え付け場所の選び方 | 植物に応じて適した環境を見極める。 |
植え穴は深いほうがいいか | 根を伸ばす場所がふかふかになっていた方がよいので、耕すのは深い方がよい。 |
苗の土と植える土を同じ高さにして植える理由 | 深くも浅くもなく、通気性不足による窒息状態にもならないいほどよい位置。 |
根をほぐして植えるか、そのまま植えるか | 植物の種類や時期による。 |
根が乾いたままで植え替えてよいか | 根は乾かすと機能を失うので、湿らせた状態で植え替える。 |
水決め法 | 根鉢のまわりに水を注ぐ方法。 |
土決め法 | 棒で根鉢のまわりに土を押し込む方法。 |
苗を育ちやすくする方法 | 活力剤の施用、サークリングの切除、支柱の活用、フレームで保護、など。 |
植え付け後、植え替え後の注意点 | 風に当てないようにする。 |
球根の購入時期 | 秋植え球根は9月下旬頃〜。春植え球根は3月中旬頃〜。 |
球根の見分け方 | 中身が充実し、重みがあり、傷や病害虫がついていないもの。 |
掘り上げる球根、植えっぱなしの球根 | 春植えは冬の寒さに耐えられるものは植えっぱなしで春を迎えてもよい。秋植えは高温多湿に耐えられるものは植えっぱなしで秋を迎えてもよい。 |
掘り上げた球根の保存 | 秋植え球根は涼しい日陰に保存。春植え球根は低温を避けて保存。 |
表3 肥料・水遣りのノウハウ
肥料が必要な理由 | N, Pを吸収してタンパク質や酵素をつくるために必要。ミネラルのKも必要。 |
肥料の種類 | 速効性のある化学肥料。じっくりと効く有機肥料。 |
化学肥料の与え過ぎ | 微生物が減り、特定の病害虫が増える。 |
液肥 | 数時間後には効果を発揮。 |
乾いた土に液肥は | 植物体への濃度障害が起こる。 |
株元から離して肥料をやる | 株元近くに肥料をたっぷり与えると枯れてしまうことがある。 |
植え付け後の肥料は | 根腐れの原因になる。 |
窒素肥料の遣り過ぎ | 多すぎると病気にかかりやすくなる。 |
肥料の使用期限 | ない。 |
葉面散布 | 効果がある。 |
お手製肥料 | 堆肥やぼかし肥のような有機質肥料は自分で作れる。 |
水遣り三年 | 植物への水遣りは3年かかってやっとコツがつかめる。 |
夜や夕方の水遣り | 軟弱に育ち、徒長する。朝に遣るのが原則。 |
夏の日中の水遣り | 避けた方がよい。 |
鉢土が乾いてから水遣り | 水遣り後の鉢内の水がスムースに排出され、鉢内の空気が交換される。 |
鉢植えの水遣り | 表面が軽くぬれただけの水遣りでは余計に水が不足して植物が傷んでしまう。 |
地植えの水遣り | 状況に応じた水遣りが必要。 |
多肉植物の水遣り | 少なくて済む。 |
葉水(はみず) | 夏の高温による植物体の温度上昇を抑えるためと、乾燥防止、ハダニの退治などに効果的。 |
花弁や葉に水をかけてはいけない植物 | シクラメンやセントポーリア。 |
表4 剪定・ピンチ(芯止め)のノウハウ
剪定・ピンチ(芯止め)は必要か | 姿を美しく整え、花付きや生育を促進するためには必要。 |
ピンチ(芯止め)すると | ピンチすると直下の腋芽が動き、伸長してくるとそれに合わせて根も伸長していきます。 |
花がら摘み必要か | 病気にかかりにくくなり、次々と花が咲き続けるから必要。 |
庭木の剪定 | 日当りや風通し、景観を向上し、病害虫を防除するため。 |
常緑樹は冬に剪定しない | 本来、暖地に自生しているため、寒さが苦手なため。 |
剪定したのに花が咲かない | 剪定方法が間違っていたり、すでにできている花芽を切り落としたりすると花は咲きません。 |
落葉樹は冬に剪定 | 休眠している冬は切ってもダメージが少ないため。 |
剪定と切り戻し | 切り戻しは剪定の中の一つの方法にすぎない。 |
枝を切る位置 | 個々の樹形を考え、その後伸びて来る枝の強さを想定して決めます。 |
切ったら枯れた | 不適切な時期に剪定をした場合、枯らしてしまうことがあります。 |
花付きをよくする剪定方法 | 適切な時期に花芽をつける枝を残し、花が増えるように剪定を行います。 |
バラの系統別剪定方法が異なる理由 | 系統により枝の伸長の仕方や花の付き方が異なるため。 |
四季咲き性のバラの剪定 | 花のピークである春と秋に合わせてたくさんの花をつけさせるため。 |
表5 繁殖のノウハウ
種の収穫時期 | 果実の色が変わった時。 |
春に撒く種と秋に撒く種 | 原産地の気候に合わせる。春は桜が咲く頃、秋は彼岸花の咲く頃が一つの目安。 |
光を好む種と嫌う種 | 好光性種子(光発芽種子)と嫌光性種子(暗発芽種子)があります。 |
植物の種は水分がないと発芽できない | 水は種を膨潤させ、細胞内の器官や物質を再活性化させます。 |
種を確実に発芽させる方法 | 温度、水分、酸素の3つの条件が適正であれば発芽する。さらに、光、低温が必要な種もあります。 |
挿し木 | 葉を減らして蒸散を抑えます。 |
挿し木に養分のない土 | 有機物や肥料分がある用土では、切り口から雑菌が繁殖しやすくなるので、養分のない清潔な用土が適しています。 |
発根剤と挿し木 | 発根剤を用いた方が、成功の確率が高まります。 |
挿し木後、半日陰 | 葉からの蒸散量を抑えるために、半日陰に置きます。 |
挿し木に適した季節 | 梅雨時や9月の長雨の頃。 |
取り木や移植で木の皮を剥ぎ取る | 環状剝皮といい、これにより葉でつくられた養分が植物体の基部へ移動する通り道を遮断し、直上の皮の部分に溜まった養分で発根を促します。 |
表6 コンテナ栽培のノウハウ
鉢の置き場所 | 日当りを好む植物は日なたに、半日陰を好む植物は半日陰に置きます。 |
植え替え後はしばらく半日陰 | 根が傷つき、吸水力が落ちるため、葉からの蒸散が抑えられる半日陰に置きます。 |
鉢底石 | 排水性や通気性を高めるために入れます。 |
ウォータースペース | 鉢の上部土の表面までの2〜3cmを水が溜まる場所(ウォータースペース)として確保します。 |
鉢の素材 | 素材によって透水性や通気性が変わるので、管理方法は同じではありません。 |
鉢替え前の剪定 | 樹木の苗をスムーズに植え付けたり植え替えたりするためには、あらかじめ剪定しておきます。 |
一回り大きな鉢に植え替える | 植物の生長に比例して根が伸びるため。 |
盆栽の小さめの鉢 | 小さい鉢では根が伸びないため、植物全体の伸びも小さくなるから、盆栽には小さめの鉢を用います。 |
鉢上げ後の水遣り | 根は水を求めて伸びるから、用土がある程度乾いてから水遣りをします。 |
鉢皿の水 | 根がいつも湿った状態だと、根が呼吸できなくなり、根腐れの原因となります。よって、鉢皿に溜まった水は捨てます。 |
植物の種類と鉢 | 植物の性質に合わせて、鉢の素材や形状を選びます。 |
表7 病害虫
植物の病気の種類 | 病原体によるものと、環境の変化による生理障害からくるものがあります。 |
植物の病気の原因 | 畑や庭は人工的なものなので、自然界のバランスのとれた生態系ではないことが原因。 |
害虫の種類 | 吸汁性害虫と食害性害虫。 |
害虫の駆除のタイミング | 害虫が小さいうちに駆除。 |
植物の種類と薬剤 | 植物の種類によって薬剤の効果や薬害に差異が出てきます。 |
農薬のブレンド | 混ぜて良い組み合わせといけない組み合わせがあります。農薬のラベルで確認します。 |
日中の薬剤散布 | 薬剤散布は朝か夕方に行います。 |
雨の前の薬剤散布 | 一定の効果はあります。 |
効果的な薬剤散布 | 被害が大きくなる前に薬剤散布します。 |
2種類の農薬を交互に使う理由 | 交互に使用していくと耐性がつきにくいので、適切な効き目が表れます。 |
コンパニオンプランツ | コンパニオンプランツを一緒に植えることにより病害虫にかかりにくくなったり、生育がよくなります。 |
表8 園芸トラブルの解決
徒長の原因 | 光量不足、水の与え過ぎ、矮化剤(わいかざい)の効果切れ、など。 |
葉の黄化 | 水切れ、病害虫による被害、日照量の不足または過剰、肥料不足、土壌pHの影響。 |
自家増殖 | 種苗法により、品種登録されている植物は、育成者以外の増殖が禁じられています。 |
株が元気なのに花が咲かない原因 | 窒素過剰、短日植物・長日植物、日照時間、低温の不足、など。 |
つぼみが落ちる原因 | 温度、光、乾燥。これらが適切でないとつぼみが咲かないで落果することがあります。 |
まとめ
上記の表は、一言で答えるならばどうなるかということで書きました。ざっと目を通して全体像を把握するのに有効です。ただ、いろいろな条件によって詳細は異なることも多いので、一度、成書で詳しく調べた方が無難です。