トップページ > 果樹の栽培記録 > > 2016年は豊作だった名前のわからない大きな柿 > 種とゴマが全く入っていなかった柿の味

種とゴマが全く入っていない柿はそうでない柿より渋くて甘くないのでしょか!?

子供の頃からの経験で、小さめの柿には種が少ないものが多く、ゴマも少なく、個体によっては渋くて食べられないという印象が私にはあります。この4個目の柿は250gで、290g〜300gの柿より若干小さめです。220gの柿は若干渋味が感じられましたが、250gの柿はどうでしょう。以下に結果を示します。

2016年11月20日

big persimmon
250gの大きな柿

この名前のわからない大きな柿250gです。5個のうち4番目です。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

横長に見えますが・・・

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

90°ずらすと縦長に見えます。上から見たら長方形のようになっているからです。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

この柿には太秋柿に見られるような条紋は付いていません。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

蔕(へた)の付いている側の写真。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

蔕(へた)を取り外しました。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

条紋が入っています。1個目の220g柿にはあまり入っていませんでした(真正面の写真は撮っていませんが)。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

皮を穴のところから手で剥いてみましたが、すぐにちぎれるし、果肉がけっこう皮に付いてきました。この方法では無駄な果肉が多くなるので、包丁で皮を剝きました。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

皮を剝きました。果肉は軟らかい感じで、少し力を入れると指が食い込みそうです。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

皮はすでに食べた3個(220g, 290g, 295g)と比べても特に変わったところはありません。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

この柿にはゴマが入っていませんでした。種も入っていないかもしれません。

2016年12月6日

big persimmon
250gの大きな柿

4分の1まで切っても断面にゴマは現れませんでした。食べてみたところ渋くはなく、甘さも他の3個の柿に比べて遜色ありません。種は全く入っていませんでした。

まとめ

この4個目の柿は5個のうち4番目に大きい、つまり2番目に小さい柿でしたが、外見は特に変わったところはありませんでした。つまり、蔕(へた)の付いている側には表皮に条紋も入っていて、甘いのではないかと予想されました(ただし、太秋柿の場合は果頂部を中心に条紋が入ったものは糖度が高いと言われていますが、ここで扱っている大きな柿については果頂部には条紋はありませんので、蔕のまわりの条紋がそれに相当するのではないかと考えています。あくまでも考察であって、それが正しいかどうかはわかりません。でも、あり得ると思います)。実際、割って食べてみるととても甘く、渋味もありませんでした。しかし、ゴマが全くと言っていいほど入ってなくて、種も1個も入っていませんでした。これらのことからわかるのは、種が若干小さめの個体は大きい個体より種が少ない傾向があることと、種が少ないほどゴマも少なく、種が全く入っていないとゴマも全く入っていないということです。でも甘さには問題はありません。元々、ゴマは渋味成分である水溶性のタンニンが水に不溶化して凝集したものが褐色になっているわけであって、渋味成分がなくなって本来の糖分が舌に甘く感じられるというメカニズムです。ゴマがたくさん入っている果肉を食べると、そうでない果肉より少しザラザラするかもしれませんが、甘さに大きな違いは見られません。よって、追熟さえうまくやれば種やゴマが入っていようがいまいがあまり関係ないといえます。つまり、小さめの柿は種も少なくてゴマも少ない可能性が高いですが、だからといって渋いということはないということです。追熟をうまくできるかどうかにかかっていると思います。

この4個目250gの柿は種が全く入っていなくて、ゴマも入っていませんでしたが、全く渋くなくて、甘くておいしい柿でした。ゴマがないのに脱渋されているのは、水に溶けなくなった、つまりヒトに渋く感じられなくなった化学構造のタンニンが凝集せずに果肉中に分散しているためであると考えられます。結果的に、種には渋味成分である水溶性のタンニンを不溶化して凝集させる効果があることがわかります。

これらの知見を踏まえて、満を持して5個目(300g)を割ってみます。割る前に予想してみると、

1. 300gの柿は5個の中では最も大きいので、種が最もたくさん入っている
 (逆に、小さい柿に種がたくさん入っていることはない)

2. 種の数が多いのでゴマもたくさん入っている

3. 甘さは他の4個の柿と同程度かそれ以上

となるのではないでしょうか。これが当たっているようならサイエンスになります。

最後の300gの柿の結果







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  1. 大きな柿2016
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