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富有柿の白い粉は何?答えは果粉

Bloom of the persimmon.



ブドウなどの果実の表面についている白い粉状の物質はろうが粉末状になったもので、果粉、またの名は果蝋といいます。果粉ですので、花粉(pollen)ではありません(漢字を間違いそうです)。



Bloom of Persimmon
富有柿の表面の白い粉。
(2014年12月5日)


英語ではブルーム(bloom)と呼ばれる物質で、ほとんどの果物に現れるそうです。ぶどうの巨峰などで御馴染みの皮に付いた白いものです。ツルツルした表皮のもので特に目立つのです。これが付いていると何となく農薬じゃないかと思ってしまいがちですが、植物自身が作り出す撥水性の自己防衛用の物質で、ヒトには無害のろう状物(ワックス)です。その正体は油脂成分で、水をはじくので、果実を病気や乾燥から守る役目を果たします。りんごの主成分は水分と糖質(炭水化物)で、その他の脂質などの含量はわずかです。果実の成熟が進むとリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸(炭素原子と炭素原子の間に二重結結合を有する部分、すなわち不飽和結合を含む長鎖カルボン酸で、脂肪の構成要素)の含量が次第に増加し、果皮表面に滲み出てきます。りんごなどでは、これらの不飽和脂肪酸が果実の表面に溶出してきて、ろう状物を溶かしてしまうので表面がヌルヌルの状態になります。食べても害はありません。リンゴが十分に成熟して食べ頃であるというシグナルです。なお、りんごは、品種によってろう状物の分泌量が異なります。ジョナゴールド、千秋、つがるなどはベタベタしていますが、ふじ、王林などはあまりベタベタしていません。
果粉は英語ではbloomといいますが、bloomの意味には、(特に 観賞用植物の)花 、(特定の植物・場所・シーズンの)花、開花(期)、花盛り、真っ盛り、(ほおの)ばら色、輝き、健康色、健康美、新鮮味、清純さ、蝋(ろう)状の粉 《ブドウの果実,カーネーションなどの葉の表面に生ずる白い粉》、(ぶどう酒の)香り、ブーケ、(鉱物の)華などがあります。また、動詞では、 花が咲く、開花する、栄える、真っ盛りである、〈人が〉〔健康に〕輝く、などがあります。



Bloom of Persimmon
富有柿の表面の白い粉。
(2014年12月5日)




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