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パッションフルーツの実生栽培のこれまでの経過
2015年7月5日に地元の物産館で買ったパッションフルーツを4日後に食べてベランダのプランターに蒔きました。7月29日に発芽しているのに気付きました。トロピカルフルーツの種は冷蔵庫に入れたりせずにすぐに蒔くようにいわれていますが、それを当時は知りませんでしたが、今思うと、偶然そうしたのが良かったようです。結果的にかなり高い発芽率でした(感覚的には80%前後)。
一方、2016年7月に収穫したお手製パッションフルーツは、食べたあとに種を冷凍庫に入れてしまったためか、その後蒔いても数本しか発芽しませんでした。そういう状況の中で、発芽した2本をこのページで取り扱います。
2015年8月に続々と発芽してきたパッションフルーツの実生苗は栽培を続けました。最初のたくさん出てきたスプラウトのうち、一部は地植えしましたが、2015年冬に全部枯れました。つまり、うちの気候では冬の霜や雪で枯れてしまうので、多年草としては生きられないということです。一方、スプラウトの中から良さそうな4本を選抜し、大きめの鉢に一緒に植えました。冬は室内に入れ、晴れた日の昼間はベランダに出しました。その結果、そのうちの1本(Aとします)は大きく育ち、4月24日には最初の花が咲きました。残りの3本のうち、最も育っていなかった1本は真夏に暑さで枯れてしまいましたが、残りの2本は夏の終わり頃から生長し始めました。最初に大きく育った1本(A)は最終的に7輪咲いて、そのうち5輪は受粉がうまくいったので結実して収穫できました(最初の1個は7月11日に落果し、最後の1個は7月31日に落果しました)。つまり、2015年の夏に種を蒔いて、2016年の夏に収穫できたことになります。1年サイクルで「種まき→発芽→生長→開花→結実→収穫」ができたことになります。年単位の話ですので、事実上これが最短かつ最速のサイクルになります。花芽の生成は真夏の前に止まりました。パッションフルーツはイメージと違って猛暑に弱いからです。真夏以降、花は一度も見られませんでした。
パッションフルーツはグリーンカーテン用としても種が市販されているようですが、その場合は植える時期が重要になりそうです。地植えしたなら冬には枯れてしまう1年草の扱いでしょうから、真夏にグリーンカーテンとして利用するなら逆算して種を蒔かなければなりません。そうなると、1年未満で実を収穫するのはタイミング的に難しいのではないでしょうか。グリーンカーテンとしての利用が関の山で、果実の収穫は難しいと思われます(でも、うまくやれば不可能ではないかもしれません)。
2016年のパッションフルーツの種を用いる実生苗の栽培
このページでは2016年夏にベランダで収穫したパッションフルーツの種を用いて実生苗を栽培していきます。2016年の夏に収穫した種をプランターに蒔いていたら9月下旬に2本発芽したので、10月1日に鉢上げして2本1鉢で育てています。このままうまく育つようであれば、鉢を大きくしながら果実の収穫までどのくらいかかるか検討していきたいと思います。
2016年の夏の失敗は、真夏に高温になったベランダに苗木を放置したことです。これにより、果実がまだ黄色いのに7月31日に最後の5個目も落果してしまったのです。花芽の生成も止まり、すでにあった蕾も落ちてしまいました。葉っぱもたくさん落ちて、残っている葉っぱも日焼けして部分的に枯れたりしました。緑の葉っぱが全体的に黄色っぽくなっていきました。秋になって新しい葉っぱは緑色になっています。秋になってやっと復活してきました。
これらの失敗を教訓にして、今回の新しい苗2本は暑い時と寒い時は室内に入れることを厳守して育てていきます。そのやり方で栽培した場合に花がいつ頃咲くのか見てみたいです。「種まき→発芽→生長→開花→結実→収穫」のサイクルでは花がいつ咲くかが生命線または律速段階になります。花が咲かなければこのサイクルはそこで断たれますし、咲くにしても遅いといろいろと不都合が生じます。できるだけ早い時期に花が咲けば、種まき時点から果実の収穫時点までの期間を1年より若干(数ヶ月程度なら)短縮できるかもしれません。
とはいえ、温室でもないところで4月より前に花が咲くのは現実的には難しいかもしれませんね。四季が繰り返すわけですから、一般には短縮も年単位になります。サイクル1年はそういう意味では最小値ですね。パッションフルーツの場合、短縮の余地があるとすればせいぜい数ヶ月でしょう。でも、四季に応じて毎年続けるとなると結局1年ですね。
とりあえず最近発芽した2本で、果実を収穫できるまでの期間が数ヶ月でも短縮できるか、やってみますね。
タネのタキイの野菜と花の培養土 | |
プラスチック鉢(百均で買ってきた8号鉢ぐらいの大きさのプラスチック鉢) | |
ベランダ | |
2016年8月頃。プランター内で発芽を発見したのは9月下旬。鉢上げしたのは10月1日。 | |
1日1回 | |
希釈した液肥(花工場)を週1回 | |
なし |
2016年9月30日6:54

プランターの中で2本発芽しました。
2016年9月30日9:50

鉢上げしました。
2016年9月30日15:24

鉢上げした時は少し萎れ気味でしたが、5時間以上経った時点では復活していました。
2016年10月5日

順調に育っています。
2016年10月5日

左側の1本(Aとします)。茎が赤く見えるのは鉢の赤色が映っているためで、枯れているわけではありません。
2016年10月5日

右側の1本(Bとします)は少し深く埋めたので、高さが左の苗より低くなっています。生長が遅いわけではありません。
2016年10月10日

A(右側)とB(左側)
2016年10月10日

大きい方の苗A(右側)の本葉が大きくなってきました。
2016年10月10日

小さい方の苗B(左側)にも本葉が出てきました。
2016年10月14日

両方とも本葉が育ってきました。
2016年10月30日

両方とも生長し始めました。
2016年11月3日8:57

朝に萎れていました。昨日、今日と朝に冷え込んだためと思われます。このように、寒さに弱いです。日中に復活するかどうかです。
2016年11月3日9:51

1時間後には太陽に向かって復活していました。そんなに厳しい冷え込みでなくてもやはり冷え込みには気をつけないと枯らしてしまいます。
2016年11月3日9:51

いつもの位置関係(Aが右でBが左)になるように撮影。
2016年11月10日16:11

この2本を別の1本(昨年の種から発芽したもの)とまとめて1つの8号鉢に植えることにしました。植え替える直前の様子。
2016年11月10日16:32

左側の2本が今年の種から発芽した実生苗2本。鉢が大きくなったので、もっと生長するでしょう。また、寒くなる日には部屋に移動しやすくなりました。
2016年11月21日

リング支柱を立てました。
2016年12月4日

だいぶ蔓が伸びてきました。3本とも順調です。屈曲していた生長末端が元に戻りました。壁に接していた葉っぱは焼けてしまったので、ハサミで先端を切りました。
2016年12月7日9:18

朝に冷え込んだため、室内から早朝にベランダに出していたら萎れてしまいました。そのうち暖かくなれば復活するだろうと思い、様子を見ることにしました。
2016年12月7日13:18

4時間後には復活していました。
2017年3月17日

このあと2017年になって、3本の苗のうち、1本だけ一人勝ち状態で大きくなっていき、残りの2本は生存競争に敗れて枯れてしまいました。この2本がこのページで追跡してきた2本です。よって、これで終了とします。残った1本はここで扱ってきたものではありませんので、別のページで追っています。
まとめ
2016年10月10日現在、順調です。今のところ異常は見られません。枯れる心配はなさそうです。水切れと遣り過ぎに注意します。これから涼しくなるので、真夏の感覚で水を遣ったら根腐れが起こるかもしれません。
ある程度大きくなったら鉢を一回り大きくします。その際、根が絡み合っていて分けられない可能性もあるので、無理をせず2本そのまま大きい鉢に移します。根を傷つけると枯れることがあります。鉢植えでは管理が大変なので、あまり鉢の数は増やしたくありません。
2016年10月30日現在、急に生長し始めました。2本とも順調と言えます。
2016年11月2日と3日の朝は冷え込みました。氷点下ではありませんでした。それでも3日の朝には萎れていました。暖かい窓辺に置いていたら1時間後には復活していました。やはり寒さには気をつけなければなりません。霜に当たったら一発で枯れると思います。その点、アボカドは同条件でも萎れていませんでしたので、パッションフルーツよりは耐寒性があるようです。
2016年11月10日にもっと大きな鉢に植え替えました。別の1本とまとめて1つの鉢にしました。これで寒い日の部屋の中への移動が容易になりました。
2016年11月21日にリング支柱を立てました。
2016年12月7日朝にベランダに出したところ、まだ寒かったせいで萎れてしまいました。夜は室内に入れていたのですが、今朝は冷え込んだために、夜が明けたからといって気温を気にせずに外に出すのは良くないことがわかりました。
2017年3月17日に朝の冷え込みのためか、生存競争に敗れたためか、2本が枯れてしまいました。よって、このページで扱ってきた2本はもう存在しなくなったので、別のページで扱っている1本に絞ることにします。
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