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渋柿から渋抜きする方法

Several methods for removing the astringent taste from persimmons.



柿には元々ヒトと同じように細胞内にアルコール脱水素酵素があるので、エタノールをアセトアルデヒドに変えることができます。


CH3CH2OH → CH3CHO


このアセトアルデヒドが水溶性のタンニンと結合して、ヒトには渋みを感じなくなります。


CH3CHO + 水溶性のタンニン → 渋くない化合物


したがって、抜いているわけではなく、感じなくなるわけです。干し柿以外の方法として、アセトアルデヒドを利用する方法があるわけです。渋柿に元々甘味がありますから、これによって渋柿を甘柿に変えることができます。この酵素が最も効果的に働く温度(至適温度)は40℃前後といわれています。よって、焼酎に渋柿のへたの部分をちょっと浸けてから、ビニール袋に入れて密封し、温泉に浸けておくとあおし柿ができることになります。もう一つの方法は、ドライアイスを入れて密封して渋を抜く方法です。ドライアイスが二酸化炭素CO2の結晶です。これが溶けると袋の中に炭酸ガスが充満してきます。すると、柿が酸欠状態になり、柿の中でエタノールができるわけです。すると、柿の中のアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドができて、それが水溶性のタンニンと結合して、人間の舌に渋みを感じない物質に変わるわけです。ただ温泉のお湯に浸ける方法もあります。お湯に浸けると酸欠状態になるし、40度くらいの温度はアルコール脱水素酵素の至適温度なので、アセトアルデヒドができやすいわけです。鹿児島県の紫尾温泉では、温泉に漬ける「あおし柿」が有名ですが、これは温泉成分が関係しているわけではなく、40℃付近のお湯に漬けることで酵素を活性化して、渋を抜いているわけです。
柿にはたくさんの品種があるので、それぞれの品種で渋抜きの最適な方法が異なるそうです。

二日酔いには柿がいいと言います。その理由を上記のことから考えると、柿のタンニンが二日酔いの原因物質のアセトアルデヒドと結合することにより、アセトアルデヒドを消費することができるためということになります。タンニンはエタノールとも結合するともいわれているので、一石二鳥ですね。






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