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トップページ > サイエンス関連 > 漂流中に海水を飲んでも助かるのか?

海で漂流して喉が渇いた時、海水を飲んだらどうなるだろう?

海の水には約3.5 %の塩分が含まれているが、その中には塩化ナトリウムNaCl(食塩)をはじめ塩化マグネシウムMgCl2、硫酸カルシウムCaSO4、塩化カリウムKClなどいろいろな塩類が入っており、中でも塩化ナトリウムが約4/5を占めています。

一方、人の血液中には約0.9 %の塩分が含まれていて、腎臓の働きにより浸透圧も一定に保たれています(腎臓は血管の固まりのようなもの)。

海水を飲むと、海水中の塩分が体内に吸収されて、血液中の塩分濃度が上昇するので浸透圧が高くなります。

浸透圧を下げて血液中の塩分濃度を0.9 %に薄めるためには水分が必要となるので、私たちは喉が渇き、水を飲みたくなります。淡水(海水に対して、普通の水を淡水といいます)を補給すると浸透圧は下がり、喉の渇きは癒され、血液量は増えて血圧が上がり、水分とともに塩分が排泄されやすくなります。しかし、大部分の水分と塩分は再吸収されて、余分な水分と塩分だけが尿となって排泄されるので塩分濃度も血圧も一定に保たれます。

一方、血液中の塩分濃度より高い塩分濃度の海水を飲んでしまうと、血液中の塩分濃度は薄まるどころか高くなる一方です。これではますます喉が渇いていくという悪循環に陥ります。そして、尿が次第に出なくなってしまいます。

尿が出なくなれば塩分や尿素、尿酸をはじめとする老廃物が排泄できなくなります。つまり、尿毒症に陥り生命が危険になります。

また、血液中の塩分濃度が高くなると、赤血球や白血球の細胞も壊れてしまいます。そうなると、酸素輸送などもできなくなってしまいます。


まとめ

結論として、海水を飲みながら生き続けることはできません。






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