17-1. 受動態の形
17-1-1. 受動態と能動態
A dog bit him.<能動態> He was bitten by a dog.<受動態> |
受動態の作り方 ① 能動態の目的語が受動態の主語になっている。従って、目的格の代名詞が主格になっている。 ② 動詞は「be+過去分詞」の形になる。時制はbe動詞が表す。未来形「will be+過去分詞」, 進行形「be being+過去分詞」, 完了形「have been+過去分詞」, 助動詞を含む場合は「助動詞+be+過去分詞」 This work must be done in a day.(この仕事は1日で終えなければならない) ③ 能動謡の主語は、受動態では「by+名詞」の形で表される。 主語が代名詞の場合は「by+代名詞の目的格」になる。 |
17-1-2. 受動態と文型
受動態となる動詞は目的語をとる動詞、つまり他動詞である。したがって、受動態の文も他動詞の種類によって3つの文型に分けられる。受動態になると、能動態と文型が変わる。
17-1-2-1. S+V+O⇒S+V
He loves Yoko.(彼はヨーコを愛している)→Yoko is loved by him.(ヨーコは彼に愛されている) |
17-1-2-2. S+V+IO+DO⇒S+V+O
He teaches us English.(彼は私達に英語を教える) →1. English is taught (to) us by him.(英語は彼によって我々に教えられる) 2. We are taught English by him.(我々は彼によって英語を教えられる) |
注意1 S+V+IO+DOの文は、いつも2通りの受動態ができるわけではない
sell, read, sing, make, writeなどの動詞は一般に直接目的語(DO)を主語とする受動態を作るが、間接目的語(IO)を主語とする受動態は作れない。
He wrote me a long letter. →A long letter was written (to) me. |
注意2 S+V+Oでも受動態を作れない動詞がある
I like animals.→ He had two hens→ |
17-1-2-3. S+V+O+C⇒S+V+C
They elected me chairman.(彼らは私を議長に選んだ) →I was elected chairman (by them).(私は(彼らによって)議長に選ばれた) |
S+V+O+C(原形不定詞)⇒S+V+C(to不定詞)
動詞が使役動詞make(〜を…させる)や知覚動詞(see, feelなど)の時には、受動態の文では「to不定詞」が用いられる
He made me go there.(彼は私をそこに行かせた) →I was made to go there [by him].(私は彼にそこに行かされた) |
We heard Nancy play the piano.(ナンシーがピアノを弾くのが聞こえた) →Nancy was heard to play the piano.(ナンシーはピアノを弾いていた) |
アメリカのロックグループKISSの曲「I Was Made For Loving」の歌詞は元々受動態のto不定詞と考えることができます(第21章 動名詞 参照)。
前置詞 + 動名詞をto不定詞に変える | I was made for loving you |
使役動詞の受動態ではto不定詞になる | I was made to love you |
能動態では原形不定詞 | You made me love you |
The Beatlesの「Run For Your Life」の歌詞ではwould rather V+O+C(原形不定詞) than C(to不定詞)の形の歌詞があります。
Well, I'd rather see you dead, little girl Than to be with another man |
これは次のようにto不定詞ではない原形不定詞の形が本来の形ではないかと私は考えました。
Well, I'd rather see you dead, little girl Than |
しかし、The Beatles のアルバム「Rubber Soul」の最後の曲「Run For Your Life」を聴いてみると「to」が聞こえます。ということは、「to be with another man」は知覚動詞seeの受動態の補語Cではないかと考えました。すると歌詞全体は次のようになって「you are seen」が省略されているのではないかと私は考えました。本当のところはどうなんでしょう?
Well, I'd rather see you dead, little girl Than (you are seen) to be with another man |
17-1-3. 受動態の否定文・疑問文
17-1-3-1. 否定文
be動詞の文と同じく、beのあとにnotを置く。
The ball was not thrown by the child.(ボールはその子供によって投げられたのではない) |
17-1-3-2. 疑問文
(1) 一般疑問文 | Did Mr. Smith invite you?(スミス氏はあなたを招待しましたか) Were you invited by Mr. Smith?(あなたはスミス氏に招待されましたか) |
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(2) 疑問詞のある 疑問文 |
Who invited you?(誰があなたを招待しましたか)<疑問詞が主語>→By whom were you invited?=Who were you invited by?(誰によってあなたは招待されましたか) |
What did Mr. Stevenson do?(スティーブンソン氏は何をしましたか)<疑問詞が目的語>→What was done by Mr. Stevenson?(スティーブンソン氏によって何がなされましたか) | |
What do you call this animal?(あなたはこの動物を何と呼びますか)<疑問詞が補語>→What is this animal called?(この動物は何と呼ばれますか) |