
サンふじというりんごの萼窪(がくあ)サンプル1
(2014年12月23日)
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Relationship between the color of the hollow of the calyx side of Sun Fuji Apple and the content of honey-like substance
りんごを割ってみると、あたかも蜂蜜が入っているかのようになっていることがあります。これをりんごの蜜といいますが、そこだけ食べても特に甘いわけではありません。蜜の入りやすい品種としてはふじ、サンふじ、北斗、スターキングなどがあります。王林やジョナゴールドのように蜜が入らない品種もある中で、私は、あいかの香りのがくあの色と蜜の量の関係を先日調べました。今回、あいかの香りの親ともいえるサンふじ(日光に当たっていないのを「ふじ」といいます)の外観と蜜の量を調べてみました。蜜の正体はソルビトールが水分を吸収したものといわれています。それ自体が特に甘いわけではありませんが、おいしいりんごの目安になります。
以下は、ほぼ、がくあの色の着色順に並べてありますが、あとでわかったのは、地肌の色が黄色っぽい方が蜜が多いようです。
サンふじというりんごの萼窪(がくあ)サンプル1
(2014年12月23日)
サンふじというりんごの萼窪(がくあ)サンプル2
(2014年12月24日)
サンふじというりんごの萼窪(がくあ)サンプル3
(2014年12月29日)
サンふじというりんごの萼窪(がくあ)サンプル4
(2014年12月30日)
サンふじというりんごの萼窪(がくあ)サンプル5
(2014年12月31日)
これら5個を実際に半分に割ってみると、下の写真のようになりました。
半分に割ったサンプル1の断面
(2014年12月23日)
半分に割ったサンプル2の断面
(2014年12月24日)
半分に割ったサンプル3の断面
(2014年12月29日)
半分に割ったサンプル4の断面
(2014年12月30日)
半分に割ったサンプル5の断面
(2014年12月31日)
4つに割った場合はもっと断面が評価しやすくなります。
4分の1に割ったサンプル1は蜜がかなり入っているように見えます。
(2014年12月23日)
4分の1に割ったサンプル2も蜜がかなり入っています。
しかし、サンプル1よりは少ないように見えます。
(2014年12月24日)
4分の1に割ったサンプル3は蜜がサンプル1や2よりも
若干少ないように見えます。
(2014年12月29日)
4分の1に割ったサンプル4は蜜がサンプル1や2よりも
若干少ないように見えます。
(2014年12月30日)
4分の1に割ったサンプル5は蜜がサンプル2と同等
ぐらいに見えます。
(2014年12月31日)
蜜の部分の透明度はかなり高いです(サンプル5)。
(2014年12月31日)
サンプル2をもっと細かく割ってみました。
蜜が放射状に広がっているように見えます。
(2014年12月29日)
外側には点在しているところもあるようです。
(サンプル2)
(2014年12月29日)
放射状と点在しているところの両方が観察できます。
(サンプル2)
(2014年12月29日)
結論として、「蜜の量と萼窪の色との関係はある程度はある」といえます。ただ、赤っぽい色より黄色っぽい色の方が、中の蜜の量が多いようにも感じます(サンプル1と2が蜜がたくさん入っているからです)。外見だけで100%言い当てることができるかというと、100%言い当てるのは難しいように感じます。それは、あいかの香りの時にも見られたように、必ずしも外観と中身が順番通りにならない場合もあるからです。でも、よく着色している個体が蜜をたくさん含んでいるということは言えるようです。
食べたあとの種を捨てるのはもったいないので、鉢の土の上に置いていたら、発芽していることに約2ヶ月後の2015年2月に気付きました。サンふじは発芽率が高いので、興味のある人は試してみたら面白いかもしれません。