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ソフトコンタクトレンズの仕組みと装用の注意点

材料からみたソフトコンタクトレンズ

Soft Contact Lens

ソフトコンタクトレンズの分子レベルでの仕組みとソフトコンタクトレンズ装用の注意点について記述しています。


南阿蘇の俵山

ソフトコンタクトレンズはHEMA(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)のような親水性のビニルモノマーを1種類か数種類重合する時に架橋剤を加えて共重合することによって三次元網目構造にしたものです。最近はもっと高性能の新規モノマーも開発されていることでしょう。ヒドロキシ基は水酸基(-OH)のことで、水H2Oと水素結合することができ、水和構造を形成して水分子に囲まれていきます。すなわち溶解します。高分子の鎖同士を橋架け剤を用いて重合時に共有結合で繋いでしまえば三次元網目構造になります。そうすると、そのできた高分子はほどけたり、化学構造を組み替えて分子レベルですべったりできないので、ほぼ永久にその形を記憶しています(形状記憶ポリマーとは定義が異なるので注意!)。プリンや寒天は容器の形のまま固まっていますが、崩すと元には戻りません。水素結合による弱い架橋構造は存在しますが、共有結合による永久的な架橋構造は存在しないからです。しかし、ソフトコンタクトレンズは形を記憶しています。台所にある皿洗い用のスポンジのようなイメージです。一般には特定の形に削って作るのではなく、重合前のモノマーを欲しい形の鋳型に入れて重合して固めます。できたポリマーは架橋構造を有しているので溶媒の中でもほどけないため、溶解しません。溶解しないがゆえにその三次元網目構造の中に溶媒(溶けていないのだから正確には媒体またはメディアと呼ぶべきです)を含んでゲルになります。媒体が水の場合がハイドロゲル、水でない場合(一般には有機溶媒)オルガノゲルを形成します。ソフトコンタクトレンズはハイドロゲルに分類されます。最近では含水率80%のものもできていますが、含水率が多いほど一般に架橋点が少ないので三次元網目構造がゆるくなります。それゆえ、ハイドロゲル自体は軟らかくなる傾向にあります。この考え方はオルガノゲルにおいても同様です。このようなものを眼球に接触させるわけですから、硬いものよりは違和感はないはずですね。でも、ドライアイの人は生理食塩水か専用の目薬をまめに点眼する必要が生じます。目にくっつくと外す時にきついと思います。角膜に傷がつくかもしれません。

ちなみにハードコンタクトレンズは媒体を含んでいないプラスチックです。光ファイバーに使われるPMMA(ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチル)がハードコンタクトレンズにも用いられています。硬くて透明性の高い、光の屈折率も大きいポリマーです。


コンタクトレンズの使用上の注意点

思案中の女子


ソフトコンタクトレンズをつける時に守るべき注意点をまとめました。

1. 装用前に爪が短いかどうか確認する。

2. 手や指を石鹸で洗ってからレンズを取り扱う。

3. レンズ容器の左用、右用を確認して、レンズを容器から取り出して利き手の人差し指の腹にのせる。

4. レンズにキズやゴミがないか確認する。

5. レンズを持っていない方の手の人差し指で上まぶたを押さえ、レンズを持っている手の中指で下まぶたを押さえて目を大きく開ける。

6. 利き手の人差し指の腹にのっているレンズをそっと目に入れる。

7. 指の腹から離れて目に入ったことを確認したら、ゆっくり指を離しながらゆっくり目を閉じる。目に違和感がないか確認する。

8. 違和感がなかったらOK。



ソフトコンタクトレンズをはずす時に守るべき注意点をまとめました。

1. 鏡を見て、レンズが黒目になっていることを確認する。

2. 少しあごを引いて、若干上目遣いで鏡を見る。

3. 利き手の中指で下まぶたを引き下げる。

4. 利き手の親指と人差し指でレンズの下の方をつまんで取り出す。






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