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トップページ > サイエンス関連 > カメムシのにおい成分と加齢臭の成分

カメムシのにおい成分と加齢臭の成分は似ています!

Odor component of Kamemushi is similar to that of aldehydes with carbon number of 7〜9.

私はベランダで色や品種の異なるハイビスカスを5種類栽培しています。ローゼルではなくて、ふつうのハイビスカスです。ちなみにローゼルは赤い実が生るやつで、その実の表面は萼(がく)なんですね。その赤い色素はアントシアニンで、ローズヒップティーやハイビスカスティーの色です。ふつうのハイビスカスはハイビスカスティーにはなりません。そのハイビスカスティーにはならない方を5種類です。

このハイビスカスの木にカメムシが出現しました。私の持っているカメムシのイメージは緑色のやつや、赤色のやつなのですが、私のアパートのベランダには褐色のカメムシがやってきます。クサギカメムシと思われます。昨年も同じようなカメムシがやってきました。まさか同じ個体ではないでしょうが・・・。

カメムシ

前の写真のカメムシを部分的に拡大したもの(2016年7月21日撮影)

カメムシ

ベランダのハイビスカスに現れたカメムシ(2016年7月21日撮影)

カメムシは果実や作物に食害を与えるので、駆除しなければなりません。りんご農家ではせっかく生ったりんごの果実にカメムシが汁を吸ったために表面が凹んで褐色に着色したりするみたいです。私の実家では数年前に太秋柿の果実が緑色のカメムシに吸われたことがあります。

このハイビスカスにいるクサギカメムシを含めたカメムシ全般を英語ではstink bug(悪臭を発する虫, ヘッピリムシ)と言うようです。私はくさい臭いがいやなので、追い払いました。だからまたやってくる可能性もあるわけです。

カメムシのにおい成分は2-ヘキセナールといわれる有機化合物といわれています。におい成分は腹部にある臭腺から分泌されます。2-ヘキセナールは官能基で分類するならアルデヒドに分類されます。ちなみにおやじ臭(加齢臭)の成分は2-ノネナールといわれていますが、これもアルデヒドです。アルデヒド(R-CHO)は酸化されてカルボン酸(R-COOH)になります。そうなるとまたにおいは変わります。興味のある人は酪酸(CH3CH2CH2COOH)や吉草酸(CH3CH2CH2CH2COOH)が相当する炭素数のアルデヒド(ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド)に比べてどんなにおいか調べたら面白いですよ。

2-ノネナールは炭素数9個で、C=C二重結合が1ヶ所あります。2-ヘキセナールは炭素数6個でC=C二重結合が1ヶ所あります。つまり、2-ノネナールはCH3CH2CH2CH2CH2CH2CH=CHCHOで、2-ヘキセナールはCH3CH2CH2CH=CHCHOで、炭素数が3個少ないだけなのです。どちらも不快な臭いがするのは、化学構造に類似性があるからですね。

有機化学を学習している大学生のためにもう少しうんちくを傾けます。「炭素数9の飽和炭化水素nonane → C=C二重結合が1個あるのでnonaneのaneをeneに変えてnonene → アルデヒドは語尾のeをalに変えるのでnonenal → C=C二重結合が2番の炭素(アルデヒド基-CHOのCが1番になる)にあるということを示すために2-nonenalとする」という一連の変化によってこの2-ノネナールが出来上がります。このように、名前がわかれば構造式(示性式)を組み立てられるように有機化合物の国際名は付けられています。同様に考えると2-ヘキセナール(2-hexenal)は「炭素数6の飽和炭化水素hexane → C=C二重結合が1個あるのでhexaneのaneをeneに変えてhexene → アルデヒドは語尾のeをalに変えるのでhexenal → C=C二重結合が2番の炭素(アルデヒド基-CHOのCが1番になる)にあるということを示すために2-hexenalとする」で出来上がりますね。

ちなみにアメンボは甘いにおいがするからアメンボというそうです。






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