否定の意味をもつ副詞(句)が文の最初にきた時は、後ろは V + S の語順になる
kuma
さっそく始めよう。Never have I seen such an exciting baseball game.を訳してみなさい。
nomi
「こんなに面白い野球の試合は今までに見たことがない」ですか?何でこんな語順になるんですか?
kuma
それを今から話すんだ。普通の語順だとI have never seen such an exciting baseball game.となるよね。この文で「一度もない」というneverを強調するために文頭に置くことができるんだ。でも、この時、後の語順を V + S に変えなければならない。
nomi
それはどういう理由からですか?
kuma
その方が語調的にしっくりくるからだ。
nomi
否定の意味を持たない場合はこのような倒置にはできるんですか?
kuma
それがだめなんだ。たとえば、I went fishing Yesterday. はYesterday I went fishing.となるだけで、Yesterday went I fishing.とかYesterday did I go fishing.なんてのはない。
nomi
わかりました。否定の場合限定ですね。ということは、ビートルズのポールがつくった「Yesterday」の冒頭の歌詞「Yesterday all my trouble seemed so far away」は V + S にはしてはいけないんですね。でも、「All my trouble seemed so far away yesterday」よりは「Yesterday all my trouble seemed so far away」の方が副詞のyesterdayを強調してあるんですよね?
kuma
いくらビートルズが好きだからといって無理矢理ぶっ込んできたな。でもまあそういうことだ。否定の意味をもつ副詞(句)の強調の例としてほかにこんなのもあるぞ。Hardly had I left home when it began to rain.だ。これはAs soon as I left home, it began to rain.と書き換えることができる入試問題の定番ともいえるやつだね。ほかに、Not until yesterday did I know the fact.(昨日までその事実を知らなかった=昨日になって初めてその事実を知った)とか、Never have I heard her sing a song.(彼女が歌を歌うのを一度も聞いたことがない)とか、Little did I dream that I would win the race.(そのレースに勝つとは夢にも思わなかった)などだね。
nomi
わかりました。
kuma
今日はこのくらいで勘弁しといてやろう。
nomi
ありがとうございました。
まとめ:
否定の意味を持つ副詞(句)を強調のために文の最初に置くと、その後は V + S の語順になる。