群動詞において前置詞か副詞かを判断する方法と副詞の場合の語順変化
get on と put on
kuma
Let’s get on the bus.は「バスに乗ろう」だが、「それに乗ろう」はどうなる?
nomi
代名詞を使うとLet’s get on it.となりそうだけど、ここでitをgetとonの間に持ってきてLet’s get it on.ですよね?
kuma
それが違うんだなー。Let’s get on it.でいいんだ。
nomi
それはどういうことですか?
kuma
それは、get onのonは前置詞だからだ。君が言った「itをgetとonの間に持って来る」のは、動詞+副詞の場合なんだ。
nomi
何か例はありませんか?
kuma
そうだなー、例えば「〜を着る」はput onだね。
nomi
はい。
kuma
Tシャツを着なさいは?
nomi
Put on your T-shirt.ですか?
kuma
それでいい。じゃあ、それを着なさいは?
nomi
さっきのget onの場合と同様に考えるとPut on it.ですか?
kuma
いや、この場合はPut it on.だ。
nomi
・・・
kuma
説明しよう!上記のget onとput onの2通りのonにおいて、前者は前置詞で、後者は副詞なんだ。副詞の場合は、代名詞の目的語は群動詞の中に入れるんだ。だから前置詞のonの方はgetとonの間にitを入れることはできないんだ。そもそも前置詞は名詞の前に置くから前置詞だからね。
nomi
ということは、前置詞か副詞かを見分けることができれば、あとは自動的に代名詞の目的語の位置がわかると考えていいんですか?
kuma
そうだ。
nomi
でも、その判断はどのようにすればいいんですか?
kuma
ざっくり言うと「……を〜する」と訳せるかどうかで判断できる。「……を〜する」と訳せる時は副詞で、そのように訳せないときは前置詞とみてほぼ間違いない。
nomi
でも、例外なくそう言えるのですか?
kuma
実際のところ、間違いやすいのもなくはない。たとえば、climb up the wallは「壁を登る」で、このupは前置詞、look up the numberは「電話番号を調べる」で、このupは副詞だ。
nomi
climb up the wallってシュールですね。look up the numberはビートルズの曲にそういうのがありましたね?
kuma
Let It BeのB面のYou Know My Nameだな。よくわかったな。
nomi
けっこうふざけた歌ですよね。
kuma
話をもどすぞ。climb up the wallは「壁を登る」で、「……を〜する」と訳せそうだよな。それならこのupは副詞となりそうだけど、実際は前置詞なんだ。
nomi
けっこうややこしいですね。ほかに副詞と前置詞の例はありますか?
kuma
We had to put off the game.(私たちはその試合を延期しなければならなかった)のoffは副詞だね。「試合を延期する」だから副詞だ。一方、The long[minute] hand has come off my watch. (時計から長針[分針]がとれた)のoffは前置詞だ。「時計から外れる」だからね。
nomi
The experiment came off.(その実験は成功した)はどうなんですか?
kuma
この場合は自動詞だし、offのあとに名詞がないから明らかに前置詞ではないので副詞だな。
nomi
いろいろあるんですね。とりあえずputとgetはしっかり押さえておくことにします。ありがとうございました。
kuma
You’re welcome.
まとめ:
<動詞+前置詞>型の群動詞と<動詞+副詞>型の群動詞において、前置詞か副詞かを見分ける方法として、「……を〜する」と訳せるかどうかがある。そのように訳せる時は副詞で、訳せないときは前置詞と判断できることが多い(もちろん例外あり)。