こんにちは。熊の実です。
私は2003年あたりから趣味の範囲で果樹を育てています。ビジネスではありません。あくまでも趣味の範囲です。
いろいろなものを植えました。ブルーベリー、ビルベリー、柿、柑橘類、栗、ムベ、アケビ、キウイ、桃、梨、クランベリー、アンズ、ザクロ、マルメロ、ぶどう、洋なし、山桃、フェイジョア、梅、りんご、グァバ、パッションフルーツなどです。グミとか、ラズベリーとかもありました。
ブルーベリー
冒頭の写真は自分で栽培して収穫したブルーベリーを使って作ったお手製ブルーベリージャムです。2枚目の写真は収穫したブルーベリーです。
うちで栽培しているブルーベリーはラビットアイ系とサザンハイブッシュ系できれいに明暗が分かれました。うちの畑ではサザンハイブッシュ系は1本も育ちませんでした。よって、現在は生き残った分だけは市販の培養土で鉢植えにしています。新規に買ってきたサザンハイブッシュ系の苗も鉢植えにしています。一方、ラビットアイ系は畑の土で問題なく育って繁っています。毎年たくさん収穫できます。
表1 栽培したブルーベリーの品種
ビルベリー
ビルベリーはブルーベリーのサザンハイブッシュ系のように枯れてしまうことはなかったですが、なかなか根付きませんでした。しかも、生長速度が遅いです。木が思ったほど大きくなっていません。でも、サザンハイブッシュ系のように退化していくことはありません。なので、現在でも少しずつ生長しています。
ブルーベリーもビルベリーも消毒は全くしていません。害虫はほとんどいないようです。そういう意味では栽培はかなり楽です。ラビットアイ系がほかの土地でも育てやすいのかはわかりませんが、うちの畑ではラビットアイ系がよく育ちます。でもサザンハイブッシュ系は育ちません。品種で明暗が分かれました。
りんご
りんごは千秋、王林、ふじ、津軽、アルプス乙女、姫りんごの栽培を2003年頃から始めましたが、現在生き残っているのはアルプス乙女と姫りんごだけです。農薬は使わないので、おがくずみたいな木の屑が幹や枝にいっぱい出てきます。幹や枝の中からテッポウムシによって排出されるからです。よって、幹や枝が鉄が錆びたような色になってしまいます。アルプス乙女と姫りんごの木は今でも何とか生きていますが、1.5メートル以上にならないように切っています。アルプス乙女は実がもうずいぶん生っていません。姫りんごの方は毎年花が咲き、実は10個以上は採れますが、その程度です。姫りんごは花の観賞用に育てています。実は果実酒にしたりしています。千秋、王林、ふじ、津軽はある程度大きくはなったのですが、最終的にはすべて枯れてしまいました。害虫の被害がひどいです。私の家で栽培した果樹の中で、最も栽培が難しかったと結論付けています。
梨
梨も消毒せずに育てています。豊水、幸水、二十世紀、新高梨、ラ・フランス、ル・レクチェを植えましたが、現在でも木が大きく生長しているのは二十世紀、新高梨の2本だけです。豊水は害虫にやられて枯れてしまい、幸水は今でも生きていますが、害虫のせいで一進一退であまり大きくなりません。ル・レクチェは枯れました。ラ・フランスは1本は生きていますが、害虫のせいであまり大きくなりません。一進一退です。もう1本は鉢植えにしていましたが、枯れかけてきたので地植えしたのですが、やはり枯れかけています(最終的には枯れました)。一応、二十世紀、新高梨は木が大きくなって、花が咲いて、結実もしますが、収穫までには至りません。梅雨の時期に落ちてしまいますし、台風でも落ちてしまいます。まあ、りんごほどの難しさはありませんが、梨もかなり難しいと思っています。
ベランダで2018年3月から鉢植え栽培を始めたラ・フランスとル・レクチェのうち、ラ・フランスは2020年春に5個結実し、秋に2個収穫できました。実家の畑に植えたラ・フランスは購入した時に付いていた果実は収穫できましたが、その後は一度も実が生らず、2021年現在、幹や枝は害虫にやられてズタズタになっています。農薬を使わないとこうなるのかという感じです。一方、ベランダの鉢植えの方は農薬を一切使っていないにもかかわらず、全く害虫に食害を受けていません。栽培する環境でこんなにも違いが出ることに驚いています。
桃
桃は木の栽培だけならそんなに難しくないと思います。農薬を使わなくてもあまり葉っぱを食べる害虫はいません。枝にテッポウ虫が入ることはありますが、梨の木ほどの被害はありません。花もたくさん咲いてきれいです。でも実を収穫しようと思ったらかなり難しいです。虫が実に入ってしまいますし、長雨で腐ってしまうし、台風で落ちてしまいます。まあ、自然災害がなかったとすれば、敵は害虫だけです。でも、逆に、害虫は駆除できたとしても自然災害には勝てません。実の収穫を度外視するならば、花がたくさん咲いた時はとてもきれいなので、それだけでもよいならば栽培する価値は十分あると思います。実が収穫しやすいのは市販の接ぎ木苗を植えてから数年、つまり、木があまり大きくなっていない時期でした。白鳳や川中島白桃はけっこう実が収穫できました。しかし、現在は生りません。
ぶどう、あんず、さくらんぼ、マルメロ
ぶどうはキャンベルス、デラウェアは実が生ったことはありますが、巨峰は苗自体があまり育ちませんでした。あんずは数年前に生って、それを焼酎漬けにしたらとても美味しかったです。でも、一昨年が1個、昨年が0個でした。2017年には1個でもいいので収穫できてほしいです。焼酎で果実酒にすると美味しいです。さくらんぼは昨年2016年にはけっこう生り、自分で作ったものは初めて食べました。酸味もあって美味しかったです。でもあまりきれいなものではなかったですが。2017年も期待しています。マルメロはまだ一度も収穫できたことがありません。ここ数年は花が少しだけ咲くことはありますが、結実しません。
柿
柿は、富有柿、キャラ、名前のわからない大きな柿、百目(甘)、西条、蜂屋、黒柿、いさはや、禅寺丸、次郎柿、太秋を植えています。どれも幹が害虫に食われることもなく、寒さで枯れるわけでもなく、安定しています。害虫は、イラガの幼虫が葉っぱの裏側にぎっしり付いて、そこに触って刺されることはあります。葉っぱを食い散らかすので、見つけたら退治します。柿はそのくらいで済みます。台風でやられない限り、毎年一定の収穫が見込める安定した果樹といえます。もしかしたら、柿が最も安心して栽培できる果樹かもしれません。実が生るまでの年月は早いものもあれば、10年ぐらいかかるものもあります。一度生るようになってしまえばあとはけっこう安定します。甘柿と授粉用の渋柿か禅寺丸を混植するとよいと思います。私の場合は禅寺丸を混植しています。禅寺丸は甘柿なので食べることもできて一石二鳥です。
キウイ
キウイは香緑を3本、ゴールデンキングを1本、アップルキウイを1本、ヘイワードを1本、オス木を1本植えています。すべて市販品です。実生で育ててもほとんどオス木なので実が生りません。まだ実が生ったことがないのがヘイワードですが、香緑、ゴールデンキング、アップルキウイは実が生るようになりました。現在は香緑1本は大胆に切ったので生長中で実が生りません。残りの4本は実が生って、毎年けっこう多産だったのですが、2015年8月15日の台風15号が来た時にかなりのダメージを受けてしまい、徐々に復活してきたものの、2016年は香緑1本だけ少し実が生った程度です。2017年はどうなるかというところです。キウイは幹の中に虫が入っていて、羽化したあとに抜け殻が根元の幹に残っていたりします。でも、特に害があるようには見えないので共生させています。葉っぱも多少はカナブンに食われますが、放置しています。ものすごい勢いで生長しますので、住宅地で栽培するのはちょっと大変かもしれません。でも、実がたくさん生るし、育てやすいと思います。オス木が1本必要です(メス木10本ぐらいまでは1本でいいとか)。
ムベ
ムベは山から小さい苗をとってきて柿の木の根元に植えていたら、みるみる伸びてしまいました。花がかなりたくさん咲きます。オス木、メス木の区別がないので1本で実が生ります。しかも多産です。ムベは本当に何もしなくても勝手にものすごい勢いで生長して、実をたくさん付けます。ただし、繁り過ぎるし、繁った場所が木のてっぺんだったりするので、木が重みに耐えられずに台風の時に折れたりします。折れると地上に落ちてくるので、またそこから樹形を整えるのがけっこう大変です。木に這わせると実の収穫は脚立(梯子)と高枝ばさみがないと難しくなるので、それを避けるためには最初から棚を作って栽培するのがベストです。私の場合はそれはせずに柿の木に這わせています。
アケビ
アケビは実を食べたあとの種を蒔いていたら芽が出たので、それを栽培しています。葉っぱは3枚付いています。花も咲きました。変わった花で、観賞に堪えます。でも実が生りませんでした。調べてみると、1本では実が生らないので、異品種を混植しなければならないそうです。ムベとアケビは同じようなものと考えていたので、ムベのようにアケビも1本で生るものと思っていました。そうではないと判明したので、ホームセンターから葉っぱが5枚のアケビの苗を買ってきて、隣りに植えました。このアケビはまだ花が咲きません。2017年に両品種に花が咲いてくれたら実が生ってくれるかもしれません。期待しています。(2017年に初めて結実しました。しかし生理落果しました。でも、一歩前進です)
栗
栗は気持ちの悪い大きな虫が幹に入ったりして、中に空洞ができたりします。また、台風等の強風で折れたり、倒れたりします。でも、実は生りやすいし、木の生長速度は速いので育てやすい果樹に分類されると思います。せっかく10年以上育てて大きくなったとげなし栗が台風の強風で根元から捥げてしまったのは残念でした。それの巻き添いで隣りのプラム(ソルダム)の木も根元から捥げてしまいました。ソルダムの木が死んだのはやっと初めて実が生った2015年の出来事でした(8月15日の台風15号が来た時)。長い年月をかけたものも一瞬にして失うものなのですね。
このとげなし栗の実が地面に落ちていて発芽していました(2014年6月)。その実生苗を大きく育てました。4年で実がなりましたが、とげなし栗ではなく、いわゆる「とげあり栗」でした(2018年8月)。このとげなし栗の実生の他に2品種が1本ずつありますが、2015年に植えたぽろたん栗の市販の接木苗は2年後の2017年に実をを収穫できました。同じく2015年に植えた丹沢栗の市販の接木苗は2年後の2017年に花は咲いたものの、3年後の2018年に実を収穫できました。銀寄栗も2015年に最初に植えたのですが、農作業の軽トラに踏まれて接木の接合部から折れてしまい、11ヶ月で栽培が終わってしまいました。もし無事に育っていたらぽろたん栗、丹沢栗と同様に実をつけていたと思われます。桃栗3年柿8年と言いますが、栗は本当に3年前後で実をつけるようになるので、栽培は比較的容易だといえます。ただ、台風の強風で折れやすいという印象です。害虫にも注意が必要です。
山桃
2012年秋に購入した山桃(秀峰)の市販の接木苗が幹が裂けたことがあったものの、順調に成長して6年後の2018年秋に初めて実をつけ、6月上旬に収穫しました。山桃には雌雄異株があるといわれています。実を楽しむには雄木と雌木をそれぞれ1株ずつ植える必要があるといわれていますが、雌株が1本しかないにもかかわらず実が生りました。近所にも山桃の木はないので、雌株が1本しかないのに実が生った原因はわかりません。雄木と雌木を用意する必要があるとはいえ、栽培自体は容易だといえます。
寒さに弱い果樹
私が育てた果樹の中で、寒さに弱いので地植えできなものとして認識しているのはトロピカルフルーツであるパッションフルーツとイエローストロベリーグァバです。冬期は夜は鉢を室内に入れないと寒さで枯れてしまいます。特に弱いのはパッションフルーツです。フェイジョアもトロピカルフルーツに分類されますが、意外に寒さに強いです。うちの畑で枯れずに育っています。あと、パパイヤやアボカドあたりは寒さに弱そうです。柑橘類については下記で。
柑橘類
私の家の畑では霜が強く、北風ビュービューなので、これまで植えた柑橘系の苗木はことごとく枯れました。植えたことがあるのは晩白柚、土佐文旦、レモン、柚子、清見、サワ−ポメロ、金柑などです。サワーポメロと金柑はある程度育って、果実も収穫できたのですが、結局枯れてしまいました(これらが枯れたのはもしかしたら別の要因かもしれませんが)。晩白柚、土佐文旦、レモン、柚子、清見は市販の苗木が大きくなることはなく、枯れてしまいました。よって、山間部の寒い地域では無理だという結論に至りました。だからみかんは海の近くの比較的温暖な地域で作られるのでしょう。でも、ある程度大きくなった苗木ならもしかしたらいけるのでないかという期待のもとに、シークヮーサーの栽培を始めました。シークヮーサーは沖縄の果樹なので、普通の柑橘系より難しいかもしれないと思っていたのですが、霜が降りる私の実家の畑でも育っています。実がたくさん収穫できています。やってみないとわからないものです。ちなみにポンカンの市販接木苗は同条件で枯れました。
こんにちは。熊の実です。 帰省中に地元の物産館に行ってみたら、シークヮーサーの木が2,980円+税で売っていました。こんな機会はないと思って買いました。高さは1.6m近くで、苗木としてはかなり大きいです。私の車はFITなので積めるか心配でしたが、後部座席を倒して何とか積み込むことができました。...
結論
専門の農家でもない限り、りんご、梨、桃の実の収穫はかなり難しいです。私は趣味でやっているのですが、私のやり方ではうまくいかないことがわかりました。特に最近の異常気象も相俟って、かなり難しいと感じました。りんごに至っては果実どころか木の栽培さえも難しいと思いました。難度はりんご>梨>桃だと私は思います。なので、現在はりんごの木の栽培はアルプス乙女と姫りんごの2本だけです。
それに対して、放置でも育って、実も収穫できるのは、ブルーベリー、キウイ、柿、ムベ、栗、枇杷、グミ、梅、さくらんぼです。グァバは寒さに気をつける分、ちょっと手がかかります。さくらんぼは葉っぱに毛虫が付くのがちょっと気になります。苦手な人はやめておいた方がいいでしょう。アケビも基本的に放置でいけると思いますが、薮になるし、結実させるには異品種を混植する必要があります。それとは対照的にムベは1本でも実が生り、簡単です。難点は繁り過ぎることですね。それと、高い木に這わせると実の収穫が困難になるし、無理に高所に登ると危険です。
よって、もし私が木の生長のみならず果実まで収穫できるという意味での「育てやすい果樹」のベスト4を選ぶとすれば、ブルーベリー、キウイ、柿、ムベです。それぞれ育て方の詳細は異なるので、順番は付けられませんが、基本的に無農薬と放置でいけます。もちろん、無農薬、放置とはいえ、葉っぱが食われていないかとかの観察や、草刈りや施肥や剪定などの手入れは最低限はやった方がいいと思います。自分は本当に何もしたくないという人には山でも勝手に育っているムベがおすすめです(笑)。
この記事は2017年2月11日時点でこれまでの結果をデータを確認しながら包括的に書きました。そして、それから約4年後の2021年1月16日に加筆しました。栽培はまだまだ続きます。個別のデータを知りたい方は果樹の栽培記録をご覧ください。