あかつき桃の木に生えた猿の腰掛け

こんにちは。熊の実です。

あかつき桃の木の猿の腰掛けが生えていました。まだ生きている木ですが、枝を切ったところが少し腐っているようで、そこに生えています。

猿の腰掛けは英語でpolyporeとかshelf fungusとかいうようです。多孔菌類きのこという意味のpolyporeはporeがたくさんある(poly)ということで、何となくイメージできますが、shelf fungusといえば、棚(shelf)状の菌類(fungus)ということで、このページで用いている写真がそのまま当てはまるような命名です。直感的にわかる点で、shelf fungusの方が好きです。

猿の腰掛け
あかつき桃の木に白いキノコを見つけました。(2016年10月16日7:02)

猿の腰掛け
猿の腰掛けであることがわかりました。けっこうきれいな形をしています。(2016年10月16日7:02)

猿の腰掛け
樹液が滲み出してゲル状になっています。こういうのも菌の生育に適しているのでしょう。(2016年10月16日7:02)

猿の腰掛け
下から見ると高い木の上にある猿の腰掛けです。(2016年10月16日7:02)

猿の腰掛け
左下から見ると、猿の腰掛けは以前に枝を切り落とした場所に生えているようです。そこが腐ってきてきのこの繁殖に適していたのでしょう。こんな低いところにあれば、取るのも楽ですね。(2016年10月16日7:02)


まとめ

猿の腰掛けはがんに効くとかいう話もありますが、効く人もいれば効かな人もいます。猿の腰掛けの中のβ-グルカンに抗腫瘍効果が認められているようです。

β-グルカンはβ-1,3-グルカンのことで、ブドウ糖(グルコース)が位置番号1番と3番の炭素に付いている水酸基(-OH)のところで別のグルコース分子と共有結合で繋がっている形の多糖類のことです。もっと詳しくいうと、1番の炭素に付いている水酸基と別のグルコースの3番の炭素に付いている水酸基の間で脱水縮合して順次繋がったポリマーです。-OHと-OHの間で脱水(脱H2O)してエーテル結合-O-で繋がったということもできます。βは3-位の炭素に付いている水酸基が上の方を向いていることを意味しています。下の方に向いていたらα型となります。デンプンはα-1,4結合で、セルロースはβ-1,4結合でグルコースがたくさん繋がったポリマーです。人間はデンプンは消化できますが、セルロースは消化できません。それは、消化酵素がデンプンを分解できてもセルロースは分解できないからです。たったこれだけの違いで反応するしないが決まるので(鍵と鍵穴の関係、基質特異性)、生体系は面白いです。これを人工的に再現するのはとても大変です。だから生体系を手本にしていろいろなものを工学的に作るのです。

それでは、また。







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