ビリルビン(Bilirubin)のIUPAC名を自分なりに付けてみた!

ビリルビン(Bilirubin)のIUPAC名を付けてみたいと思います。なぜBilirubinかというと、私は現在胆石で入院中で、尿の色がBilirubinで濃い黄色になっていたからです。大環状化合物の色素であるヘモグロビンが体内で分解されてBilirubinになって胆汁の中に含まれていたものが胆嚢の中でコレステロールなどと一緒に結晶化して胆石になっていると言われています。尿にたくさん混ざっているのは胆管に石が詰まっていたり、肝炎だったりするといわれています。私の場合は胆管に胆石が詰まって尿が真っ黄色になっていました。

この色素のIUPAC命名における基本的な考え方としては、下記の構造式を使って説明します。

Bilirubin

この構造式における左から2つ目のピロール環(N原子が含まれる五員環の部分)の上の方(Nから数えてこの場合は反時計回りに3番目の炭素原子についているプロピオン酸陰イオン)をフリー(遊離)のカルボン酸(Hが付いた非乖離のCOOH型)としてこれを主基として置換基を付けていくことにします。

つまり、3-[(置換基)]-propanoic acidが命名のメインとなる化合物として命名することにします。[ ]や( )は入れ子構造になっています。そういう意味ではHTMLコードの記述と似たようなものです。最初は( )を使って記述し、その外側にさらに( )が必要になったら[ ]を使います。そういう意味で3-[(置換基)]-propanoic acidとしていますが、簡単な構造の有機化合物であれば( )だけで記述できる場合も多いです。

IUPAC名プロパン酸(慣用名はプロピオン酸)のカルボキシル基の炭素を1番として、そこから数えて3番目の炭素に大きくて複雑な置換基が付いている形です。その置換基はピロール環が4つも横に繋がっている大きいものとなっています。それを1個ずつIUPAC命名法に則って命名するのがとても面倒ですが、やってみます。

主基に置換基としてピロール環が4つ付いていますが、ピロール環4つのうち、まず左から2番目のピロール環の左右にピロール環が付いているという形で置換基を命名していきます。すなわち、左端のピロール環と左から3番目のピロール環が置換基になっている2番目のピロール環という形で組み立てていきます。その過程で、左から3番目(右から2番目)のピロール環には右端(左から4番目)のピロール環が置換基として付いているという形のIUPAC名を組み立てていくことになります。

IUPAC名においてはわかりやすいように色分けします。4つのピロール環の左側からピンク、赤、緑、水色として、相当するIUPAC名を同じ色で表示することにします。緑の命名の途中に水色が割り込んでいます。それによって緑のピロール環の置換基として水色のピロール環が付いていることがわかります、また、ピンクと緑のピロール環のどちらを先に書くかについては、最初の置換基の頭文字がアルファベット順になるように順位をつけます。下記の例では緑色の[3-(carboxyethyl)-5-の「carboxyethyl」の「c」がピンク色の[(4-ethenyl-3-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl]の「ethenyl」の「e」よりも優先されるので緑色の部分が先に来ます。同様に赤い角カッコ(大カッコ)[ ]で囲まれた部分における置換基の優先順位も同様に考えれば「[3-(carboxyethyl)-5-[(3-ethenyl-4-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl]-4-methyl-」のようになり、結果的にこの場合は位置番号では3の次に5で、最後に4がきています。また、水色の部分の置換基の記述の順序も置換基の頭文字がアルファベット順になるように並べてあります。この場合は位置番号はたまたま3 4 5 2の順になっています。

最終仕上げとして置換基のIUPAC命名における最初の文字をアルファベット順に並べると次のようになります。このIUPAC名ではひとまず下記のIUPAC名でよいと思われます。

3-[2-[[3-(carboxyethyl)-5-[(3-ethenyl-4-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl]-4-methyl-1H-pyrrole-2-yl]methyl]-5-[(4-ethenyl-3-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl]-4-methyl-1H-pyrrole-3-yl]propanoic acid

ここで、methylはCが1個なのでそこにさらに置換基が付いていても位置番号が1に決まっているのでわざわざ位置番号を指定する必要はありません。つまり外枠の [ ] はこの場合必要ないと考えてとってしまうと次のようになります。(←独自の解釈なので合っているかどうかはわからないところあり!)

3-[2-[3-(carboxyethyl)-5-(3-ethenyl-4-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl-4-methyl-1H-pyrrole-2-yl]methyl-5-(4-ethenyl-3-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl-4-methyl-1H-pyrrole-3-yl]propanoic acid

最初の部分「3-[2-[3-(carboxyethyl)-5-」の緑色の部分において、「carboxyethyl」のカルボキシル基(-COOH)がエチル基の末端に付いていることを明確に示すには次のようにした方が良いかもしれません(理論上は1-carboxyethylもあり得るからです)。

3-[2-[3-(2-carboxyethyl)-5-(3-ethenyl-4-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl-4-methyl-1H-pyrrole-2-yl]methyl-5-(4-ethenyl-3-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl-4-methyl-1H-pyrrole-3-yl]propanoic acid

私がいちばんいいと思うのは1つ前の命名で、それを色分けせずに黒で記述すると次のようになります。

3-[2-[3-(carboxyethyl)-5-(3-ethenyl-4-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl-4-methyl-1H-pyrrole-2-yl]methyl-5-(4-ethenyl-3-methyl-5-oxopyrrole-2-ylidene)methyl-4-methyl-1H-pyrrole-3-yl]propanoic acid

注意しないといけないのは、本来は同じ数字でも5種類くらいあるので本来は例えば2番なら2と2′と2″と2‴と2⁗のようにプロパン酸における2番、4つのピロール環における2′, 2″, 2‴, 2⁗のように、それぞれの置換基ごとにプライム記号(ダッシュ)をつけて区別すべきところを外してあるということです。それゆえ、数字を比べる時は同じ集団の中で比べなければなりません。つまり、例えば4個のピロール環においては、それぞれのピロール環の中での位置番号であって、他の無関係の場所の同じ数字とは何ら関係ないということです。だから上記の例においてPrime (′), Double Prime (″), Triple Prime (‴), Quadruple Prime (⁗)は省かれているのだろうと私は想像しています。本来は付けた方がわかりやすいと思います。別のグループの置換基なんだなということと、それが何種類(何箇所)あるのかがわかると思います。私は以前の学術論文では付けていましたが、問題ありませんでした。

以上の結果を精査してみると、[ ] と ( ) の使い方がWikipediaのBilirubinのIUPAC名と若干異なったりしているようです。私は上記の自分で導いたIUPAC名で合っている、つまり、このIUPAC名を基に構造式を組み立てることが可能になっていると思うのですが、どうでしょう。また、WikipediaのBilirubinのIUPAC名は和名(カタカナと漢字)で記述してあります

まだ説明していない2-ylideneや2-ylや1Hの意味もまた後日追記します。







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