飼育6ヶ月の大きい方の子スッポンの習性と身体的特徴

2018年9月28日から飼育を始めた子スッポンが2019年3月28日で満6ヶ月になります。だいぶ馴れてきて手のひらの上でじっとしていてうとうとしたりします。手で温めてやると身体が温まってきた頃に首を伸ばして動き始めます。水槽に戻すといつもの住処に隠れてタニシなどを弄ったりしています。お腹が減ると水槽の上の方を見上げて立ち泳ぎしながら餌を催促します。また、サケの切り身の大きめのものを与えたところ、一飲みして長い首の付け根のところが盛り上がってピンク色が透けて見えるなど、身体的特徴も少しずつ明らかになってきました。

餌をくれとアピールする子スッポン(2019年3月20日)

水槽No.1の中の子スッポンが餌をくれと水槽の右上に浮上して必死にアピールしています。いつも餌は水槽の右上から落とすので、それを学習しての行動です。(2019年3月20日12:43撮影)(2019年3月20日公開)

餌に突進する子スッポン(2019年3月20日)

子スッポンが水槽の右端の上から落としたサケの切り身に勢いよく突進する時に餌を見失いました。そして、沈んでいく餌に気づかないまましばらく水面付近で餌はまだかまだかと必死に浮上しようとしていました。そのあと、沈んでいる餌に気づいて水槽の底に首を伸ばして咥えました。その後、水槽の底に降りて無事に一飲みしました。これら一連の行動を動画に収めました。1個目を平らげた後に、2個目も欲しそうな表情だったので2個目を上から落としました。その結果、底に落ちていく途中でキャッチして水槽の底で食べ始めました。しかし、これまでもそうでしたが、だいたい2個目は一飲みすることは稀で、噛みちぎって断片化し、全部は食べません。今回もそうでした。(2019年3月20日12:47撮影)(2019年3月20日公開)

タニシを鼻先でつつく子スッポン(2019年3月20日)

子スッポンが水槽No.1の中で目の前のタニシをつつく様子を動画に収めました。(2019年3月20日17:29撮影)(2019年3月20日公開)

餌をせがむ子スッポンが食べた後に食べた物が首の付け根で透けて見えた!(2019年3月21日)

子スッポンが水槽No.1の中で餌を欲しがっている時にいつも同じパターンで動き回る様子をを動画に収めました。(2019年3月21日12:31撮影)(2019年3月21日公開)

スッポン
いつものように水槽の上の方(餌が落ちてくる方向)を見上げて餌をくれとアピールしている子スッポン。(2019年3月23日16:08撮影)

子スッポンが水槽No.1の中で泳ぎながら何度も何度も餌を催促する様子をを動画に収めました。(2019年3月21日16:11撮影)(2019年3月21日公開)

水槽No.1の中で子スッポンが飲み込んだ食べ物(冷凍したサケの切り身)が長い首の付け根のところに止まっていて透けて見えました。それが動画の38秒〜40秒のところに映っています。(2019年3月21日16:13撮影)(2019年3月21日公開)

メダカを喰いちぎった子スッポンの歯に関する考察(2019年3月25日)

水槽No.1の中で子スッポンがメダカを襲って尻尾側の半分だけ魚体を食べたため、水面付近に頭側が頭を下にして垂直に浮いていました。(2019年3月25日10:08撮影)(2019年3月25日公開)

子スッポンに襲われたメダカ
水槽No.1の水面付近に垂直に浮いているメダカの写真。腹部に子スッポンの歯型がついています。(2019年3月25日10:08撮影)

子スッポンに襲われたメダカ
1枚前の写真から36分後に撮影した1枚の写真。36分の間に胴体が180°回転して反対側が写真に写っています。そこに付いた歯型が1枚前の写真のものと相似形だということがわかります。なお、スッポンの歯は人間のように何本もあって並んでいるのではなく、連続した1枚歯です。亀類は歯ではなく嘴(くちばし)と言うようです。(2019年3月25日10:44撮影)

子スッポンに襲われたメダカ
上の2枚の写真を並べて歯型を比較しました。右側の方が歯型が大きいです。ヒトの場合は上顎の歯並びの曲率半径が下顎のそれより大きいですが、スッポンも同様であると仮定するならば、かつ、魚体の真下から噛み付いたとするならば、この子スッポンは右向きのメダカに噛み付いて左手(左前足)の爪を魚体に挿して前に押し出す形で引きちぎったと考えられます(あくまでも仮定の下での話です)。(2019年3月25日10:44撮影)

1つ前の動画を撮影してから40分後にまだ呼吸しているところを映したの動画です。(2019年3月25日10:47撮影)(2019年3月25日公開)

空気を吸った後に底に戻って住処で砂に潜りたい素振りを見せる子スッポン(2019年3月25日)

子スッポン
子スッポンが狭いところも物ともせずにササッと機敏に動く姿は忍者と言ってもよいくらいです。(2019年3月25日17:38撮影)

子スッポン
子スッポンが水草を足場にして水面で空気を鼻から吸っています。このあと次の動画に続きます。(2019年3月25日17:42撮影)

子スッポンが水槽の水面で空気を吸った後に底に戻ってひとしきり獲物を物色しました。その後にいつもの定位置である石の下に戻り、砂に潜る時のような両前足で水槽の底を掻く動きを何度も繰り返していました。砂に潜りたくてたまらないのではないかと思われるその素振りを動画に収めました。本来は水槽内に砂を入れるのがベストなのですが、掃除が大変なので、日中はこの水槽、夕方から朝までは砂の入ったコンテナに移して温度を30℃ぐらいにお湯で設定して無線LANのルーターの上に載せています。もちろんルーターは夜間も電源は入れたままです。子スッポンは昼間は水槽で活動しているので、日中にインターネットを使っていない時だけはルーターの電源をできるだけ切るようにして節電しています。(2019年3月25日17:45撮影)(2019年3月25日公開)

まとめと今後の予定(2019年3月25日現在)

少なくともこの子スッポンは首が伸びきった状態では食べたものが皮膚と食道を通して見えるようです。これが他の子スッポンにも共通の特徴なのか、また、大きくなったスッポンにも共通の特徴なのかはこれから検討していく課題です。

この子スッポンは混泳している生きた子魚(オイカワとメダカ)によく食いついて下半身だけ食べます。あるいは1匹丸ごと飲み込んでしまうこともあるかもしれません。その場合は痕跡は残りませんが、逆に下半身が残っていることはこれまでに一度もありません。よって、このスッポンは泳いでいるオイカワやメダカにT字型になるように胴体に食いついて、噛み付いたまま片方の前足で魚体を押し出して魚体を切断しますが、その際に頭側を噛み切って尻尾側を食べることはあっても、尻尾側を噛み切って頭側を食べることはなさそうです(少なくともこれまではありませんでした)。魚の頭側の半分の腹の部分は内臓が入っていて栄養がありそうですが、頭が硬いからでしょうか、なぜか尻尾側の半分を食べるようです。

メダカの腹部に付いた子スッポンの歯型が魚体の左右で全く同じではなく(言いかえると、曲率半径が同じではなく)、相似形をしていることからスッポンの歯は噛み合わせた時に人間の歯のように上の歯が下の歯の外側に重なるようになっていると考えられます。なお、亀類の場合は「歯」ではなく「嘴(くちばし)」と言っても間違いではないようです。鳥みたいでかなり違和感がありますが・・・。

子スッポンの水槽にはできれば砂を入れた方が良いのですが、私の場合は夜間だけ別容器の中で砂に潜らせています。夜間は水槽のヒーターを切りたいのが一つの理由です。もう一つの理由は、できるだけ砂のある生活もさせたかったからです。でも、水槽の中に砂を敷くと水が汚れやすかったのと、掃除がかなり大変だったという経験から、別容器に砂を敷いて夕方から朝までそこで飼うようにしました。実家に帰った時などは水槽に入れたままにしています。子スッポン2匹を同じコンテナに入れると大きい方の子スッポンが小さい方を攻撃するので、百均のダイソーで買ってきたコンテナとブックエンドと「切って使える仕切り板 Partition (Size adjustable)」で間仕切りしたコンテナにして、2つのスペースに1匹ずつ入れています。そのコンテナは冬の寒い夜は無線LANのルーターの上に置いてできるだけ水の温度が下がらないようにしています(※)。

※このようなルーターの使い方はあまり良くないでしょうから真似しないでください。もし真似されて故障しても責任は取れませんので、くれぐれも自己責任ということでお願いします)

カメの飼育には本来は26℃ぐらいに保つのがよいとされていて、ペットショップやホームセンターなどにカメ用の市販のヒーターもありますが、水深8センチメーチル以上で使って下さいとかの仕様になっています。上記の私の間仕切りコンテナの場合は水を砂の上1〜2センチメートルぐらいの深さになるようにしか入れていないため、市販のヒーターは使えません。なので、無線LANのルーターの連続運転時の熱を有効利用しています。しかし、寒い朝には水温が20℃を下回っていることが多いです。それでも、子スッポンたちにとっては加熱しないよりはずっとましだろうと思っています。

子スッポンに襲われてダメージを負ったメダカ(2019年3月26日)

15時過ぎに子スッポンがメダカを襲って大きなダメージを負わせたにもかかわらず、そのメダカは6時間後の21時半になってもまだ生きていました。いっそのこと一飲みしてしてほしかった。というか、最後まで責任持って食べてほしい!噛み付いた後に逃げられたのかもしれないけれども。(2019年3月26日21:31撮影)(2019年3月26日公開)
翌日(3月27日)の朝7時頃にメダカを確認したら硬直していました。それをもう1匹のスッポンが眠っている容器に入れておいたら、1時間後にはなくなっていたので、食べていました。無駄にならなくてよかったです。







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