卵から生まれた7匹の赤ちゃんスッポン

↑上のアイキャッチ画像は2019年8月13日17:55に撮影したスッポンのお腹の中から取り出された卵10個です。夜には極が出現していました。

盆休みに帰省した時に、弟が大きなスッポンを捕獲してきていました。もう数日経っているようでした。そのスッポンをその日の夕方に捌いていました。すると卵が10個出てきました。1個は殻が少し凹んでしまっていましたが、9個は無傷でした。そこで、凹んだ1個も含む10個を孵化させることにしました。有精卵かどうかもわからないのですが、とりあえずやってみることにしました。

以下に主な写真を示します。また、考察を記します。

親スッポンから取り出されたスッポンの卵(2019年8月13日)

スッポン
弟が釣ってきた大きなスッポン。(2019年8月13日14:19撮影)

スッポンの卵
スッポンから取り出された卵10個。(2019年8月13日17:50撮影)

13時間後の朝のスッポンの卵(2019年8月14日)

スッポンの卵
スッポンから取り出されてから13時間後の卵10個。(2019年8月14日6:48撮影)

取り出されてから1ヶ月後のスッポンの卵(2019年9月13日)

スッポンの卵
スッポンから取り出されてから1ヶ月後の卵10個。(2019年9月13日11:30撮影)

スッポンの卵
No.1の卵を持ち上げて見てみました。No.1〜No.8において、この写真のように黒い部分と赤い部分がうっすらと透けて見えました。しかし、左端の1個(時計の9時の短針の位置に相当)と右端の1個(時計の3時の短針の位置に相当)はそのような変化は見られていません。この2個はだめだと思われました。逆に、No.1〜No.8の8個はいけるのではないかという期待が持てました。(2019年9月13日11:32撮影)

スッポンの卵
左端の1個(時計の9時の短針の位置に相当)を斜め下から撮影。(2019年9月13日12:25撮影)

スッポンの卵
左端の1個(時計の9時の短針の位置に相当)を上から撮影。(2019年9月13日12:25撮影)

スッポンの卵
右端の1個(時計の3時の短針の位置に相当)を斜め下から撮影。(2019年9月13日12:25撮影)

スッポンの卵
右端の1個(時計の3時の短針の位置に相当)を上から撮影。まだ初期の黄色が残っているので卵の成長は進んでいないことがわかります。(2019年9月13日11:34撮影)

親スッポンから取り出されて43日目に受けの容器を設置(2019年9月25日)

スッポンの卵
一般にスッポンの卵は50日前後で孵化するといわれています。もう43日目になったので、あと1週間ぐらいで孵化する可能性も考慮しなければなりません。そこで、昆虫飼育用のプラスチック容器をAppleのルーター(AirMAc Extremeの上に載せて、その容器の中に電子レンジで加熱する時に用いるグラタン調理用のガラス容器をセットしました。ガラス容器の中には水を入れます。そして、その上にバーミキュライトを入れて卵10個を半分埋めたガラス水盤を載せました。このあと、プラスチック容器の中にも水道水を深さ5mmぐらいになるように入れました。これによって、もし赤ちゃんスッポンが殻を破って出てきても容器内に受け止めることができるし、水もあるので安全です。(2019年9月13日18:57撮影)

親スッポンから取り出されて44日目の卵の状態(2019年9月26日)

スッポンの卵
特に変化には気づきませんでした。まさかこれから3日目の未明にすごいことが起こるとは思ってもみませんでした。(2019年9月26日17:42撮影)

親スッポンから取り出されて47日目の朝のスッポンの卵に異変(2019年9月29日)

スッポンの卵
朝起きてすぐに異変に気づきました。うまくいくかもしれないと思っていたNo.1〜No.8の8個のうち、No.5以外は殻が破れて中が空っぽになっています。(2019年9月29日6:52撮影)

親スッポンから取り出されて47日目の未明に生まれていました!!(2019年9月29日)

赤ちゃんスッポン
下に赤ちゃんスッポンがいます!!(2019年9月29日6:54撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
ガラス水盤とグラタン用のガラス容器を除けてみると、バーミキュライトにまみれた7匹の赤ちゃんスッポンがいることが確認できました。(2019年9月29日6:54撮影)

観察結果(2019年9月29日)

赤ちゃんスッポンの卵
下から見るとお腹が赤く、白いへその緒がついていることがわかります。(2019年9月29日7:16撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
殻の中には少し液体が入っています。この卵はNo.1です。(2019年9月29日7:22撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
No.5の卵は変化ありません。すでにこの卵の中には7匹同様の赤ちゃんスッポンがいたのですが、うまく殻を破れずに出てこれなかったことがあとで約1ヶ月後にわかりました。結果論ですが、この時に殻を人為的に破ってやればよかったと後悔しました。(2019年9月29日7:22撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
ぶどうの果肉のような半透明のゲル状のものが外れていました。これは卵黄の袋のようです。(2019年9月29日8:01撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
卵が産み落とされたものではなく取り出したものだったせいかどうかはわかりませんが小さめだったので、生まれた赤ちゃんスッポンも小さめでした。いちばん小さい赤ちゃんスッポンの甲長は24mm(2.4cm)でした。大きいものは27mm(2.7cm)ぐらいありました。(2019年9月29日9:20撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
体の色合いも個体差があります。(2019年9月29日9:21撮影)

赤ちゃんスッポンの卵
500円球と比較。500円球にかかっているのがいちばん小さい赤ちゃんスッポンです。ちなみに五百円硬貨の直径は26.5mm(2.65cm)です。(2019年9月29日9:54撮影)

スッポンの卵の卵黄
壁に付いた卵黄の袋。けっこう生々しいです。(2019年9月29日10:00撮影)

スッポンの卵の卵黄
7匹を上から撮影。卵黄の袋は外れています。(2019年9月29日10:38撮影)

スッポンの卵の卵黄
へその緒がくっきり。(2019年9月29日10:53撮影)

スッポンの卵の卵黄
卵黄の袋。(2019年9月29日10:55撮影)

8匹目が出てきていない卵No.5の今後について(2019年9月29日)

赤ちゃんスッポンの卵
卵を並べ直してNo.5の卵をもう少し様子を見ることにしました。しかし、あとで(約ヶ月後に)わかったことですが、すでにこの時には赤ちゃんスッポンは中にいて、出てこれなかっただけでした。結果的にかわいそうなことをしましたが、まだこの時は成長が遅れているのだろうと思って待つことにしました。結果論ですが、この時、殻を割ってあげればよかったと後悔しました。(2019年9月29日8:30撮影)

4日目の朝のシワシワの甲羅(2019年10月2日)

赤ちゃんスッポンの卵
生まれて4日目の朝ですが、甲羅はシワシワであるのがこの写真からわかります。(2019年10月2日8:27撮影)

まとめ(2018年11月17日現在)

今回最も感動したのは、7匹が測ったように同じ日(47日目の未明)に出てきたことです。夜のうちに出てきていたので、出てくるところは見ていませんでしたが、1日のずれもなく7匹が生まれていました。誕生日にけっこうばらつきがあるのかなと思っていたので、生命の神秘に遭遇した感じです。それから、8匹目は殻を破れずに死んでしまったことが悔やまれましたが、やはり7匹と同じタイミングで生まれてくるところだったことが、あとで卵No.5を割って詳細に観察した時に窺えました。無事に生まれてくるまでにはいくつもの障害があるのだなと痛感しました。もし、これらの赤ちゃんスッポンが川の近くで生まれたとして、水に到達するまでにもヘビや鳥(カラス、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ササゴイなど)や獣(タヌキ、イタチ、テン、ネコなど)に襲われるかもしれないし、川に到達しても大きな魚(コイ、ライギョ、ナマズ、ウナギ、ドンコ、ギギなど)に食べられてしまうかもしれないし、冬眠しても赤ちゃんスッポンは十分な体力がないために春がくる前に死んでしまう可能性が高いし、小さいのでまだうまく獲物を獲れなくて飢えてしまうこともあるだろうし、赤ちゃんスッポンは皮膚病になりやすいなど、命を失う要因を挙げればきりがないくらいです。大きなスッポンも小さいスッポンを襲います。そうすると、川にいる大きいスッポンはどれだけの苦難を乗り越えてこんなに大きくなったのだろうか、ここまで大きくなったのは何匹の赤ちゃんスッポンが犠牲になった末の1匹なのだろうかとか、見方が変わってきます。自然界も人間界も生きていくのは大変であるという点では同じですね。生き延びるにはいろいろな困難が待ち受けています。







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