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トップページ > 果樹の栽培記録 > アボカドの種の発芽挙動のまとめ

アボカドの種の発芽挙動のまとめ

Summarization of Avocado sprouting


アボカド
栽培しやすさ(発芽まで) ★★★★☆
おすすめ度(発芽まで) ★★★☆☆

概要

2015年11月から始めて、本格的には2016年8月から始めたアボカドの種からの栽培について、2018年3月11日時点で結論を出しました。

これまで検討してきた52個のアボカドの種の発芽挙動についてまとめています。実際はもっとありますが、データは示していませんので、データを示しているのは52個ということです。

結論としては、畑に植えたアボカドの実生苗は2017年12月までは何とか寒さに耐えていましたが、2018年1月の大寒波襲来で一気に枯れてしまい、結局全滅でした。一方、室内の窓辺で育てている水栽培のアボカドの実生苗は生きています。また、大きな葉っぱの品種より、小さめの葉っぱの品種の方が耐寒性はあるようです。観葉植物として楽しむなら大きい葉っぱがいいですが、耐寒性に問題ありという結論です。産地別に見ると、ニュージーランド産やペルー産のものは大きい葉っぱの実生苗が多く、メキシコ産のものは小さい葉っぱの実生苗が多かったです。ただし、サンプルばらつきや住んでいる場所の気候、アボカドの保存状態や流通経路の違いなど、いろいろな要因が複雑に絡んでいる可能性があるので、あくまでも私の実験結果は一実験結果に過ぎないという視点で捉えてください。

アボカドの種からの栽培の個別データ

アボカド
結果
西洋ナシ型のアボカドの中に入っていたかなり大きい種の発芽実験
(No.1)
根は出てきて種は割れてきたが、芽はまだ出てきていない(2017.4.30現在)

芽はまだ出ていない(2017.5.30現在)

芽は出てこないと判断して処分しました(2017.6.15)
アボカドの種を切り過ぎたら発芽するかどうかの検討
No.2
発芽した。
アボカドの種の上下を切り落とす方法で発芽実験
No.3
根は出てきて種は割れてきたが、芽はまだ出てきていない(2017.4.30現在)

芽はまだ出ていない(2017.5.30現在)

処分した(2017.6.7)
アボカドの種の頂部を大胆に切った場合の発芽挙動の検討
No.4
発芽した。
卵形のアボカドの中に入っていたかなり小さい種の発芽実験
No.5
発芽したが、先端が枯れて生長が止まっている。

根も芽も腐っていたので、処分した(2017.5.30現在)
頂部のみ切り落としたアボカドの種の発芽挙動の検討
No.6
発芽していない。たぶん発芽しない。

根も芽も出ていなかったので、処分した(2017.5.30現在)
対称形で底部のきれいなアボカドの種の発芽挙動の検討
No.7
根は出ていたので、植え替えた(2017.5.30現在)
底部のみ切り落としたアボカドの種の発芽挙動の検討
No.8
発芽した。
アボカドの萎びた種の発芽挙動の検討
No.9
最初から萎びていたが、発根の兆候が見られる。よって、萎びていても発芽しないわけではない。

根は出ていたので、植え替えた(2017.5.30現在)

処分した(2017.6.7現在)
アボカドの種(No.10)の皮を剥がずに水栽培した場合
No.10
根も芽も出ていなかったので、処分した(2017.5.30)
洋なし型アボカドAの種の形の観察と水栽培
A
発芽した。
シワの多いアボカドBの種の観察と水栽培
B
根は出ているが、まだ発芽していない(2017.4.30現在)。

発芽した。
頂部が凹んだアボカドCの大きな丸い種の観察と水栽培
C
根は出ているが、まだ発芽していない(2017.4.30現在)。

まだ発芽していない(2017.5.30現在)。

2017年8月14日時点では発芽してけっこう伸びていた。
卵型のメキシコ産アボカドの中で最も果実が大きかった個体Dの種の観察と水栽培
D
根は出ているが、まだ発芽していない(2017.4.30現在)。

まだ発芽していない(2017.5.30現在)。

まだ発芽していない(2017.8.14現在)。

まだ発芽していない(2017.11.3現在)。

ここまでくるともう発芽しないと思われます。よって、観察はここまでとします。A〜Gの中で唯一発芽しなかったのがこのDです。
卵型のメキシコ産アボカド3個の中で最も小さい種の観察と水栽培
E
発芽した。
皮がとても剥きやすかったアボカドFの種の観察と水栽培
F
根は出ているが、まだ発芽していない(2017.4.30現在)。

まだ発芽していない(2017.5.30現在)。

2017年8月14日時点では発芽していた。
頂部が傷んでいるアボカドGの種の水栽培
G
発芽した。
アボカドの果実の形からみた発芽率(果実24個分の結果)
果実の形は種の形に大きく影響する。しかし、春に植えれば種の形や大きさはさほど問題にならない。冬に発芽した場合は、大きくて丸い種の芽は枯れやすかった(再現性は確認していない)。
アボカドの種の形からみた発芽率(種24個分の結果)
種の形や大きさは春に植えれば発芽率にはあまり関係ないといえる。しかし、秋に植えた場合は、小さくてどんぐり型の種の方が大きくて丸い種より発芽しやすい傾向が見られた。しかし、春に蒔いた場合は大差は見られなかった。大きくて丸い種の方が寒さに弱いような感じ(個人的な感触)。
発芽しやすいアボカドの種の特徴
アボカドの種に番号は付けていません。アボカドの種はあまり大きくないどんぐり型の種が発芽しやすいという結果になりました。一方、大きくて丸いピンポン玉サイズの種は発芽の兆候が見えても生長が足踏みする傾向があり、どんぐり型と比べると寒さに弱い印象です。
アボカドの種の発芽しやすさの再現性の検討(新規の種11個分と既出の種C, D, Fの結果)
アボカドの種(H, I, J, K, L, M, N, O, P, Q, R)11個を新規に用いて寄せ植えで検討しました。種C, D, Fも一緒にした形でプランター栽培から露地栽培に切り替えました。結果的に、これらの中で発芽しなかったのは種Dだけでした。よって、アボカドの種の発芽率は高いといえます。

これまでの経過

アボカドの種の発芽挙動についてまとめました。アボカドの種は、整った普通の形のものであればかなり高い確率で発芽することがわかりました。また、植える季節を選べば、つまり春になってから土に植えれば、奇形でない種は発根しました。秋に植えた種が冬前に発芽した場合、芽が冬の寒さに耐えられず枯れてしまいましたが、根は生長しています。

芽は上の方向に出るので、発芽しやすさは種の割れ方に大きく依存することがわかりました。底部と頂部を少し切り落としてやると立体障害がないため根も芽も出やすい傾向が見られました。しかし、奇形の種は発根まではしても発芽は難しい傾向にあり、発根すらしないものもありました。よって、高い確率で発芽させたい場合は、大きくて丸い種より小さめでどんぐり型の割れ方が均等な種を選び、頂部と底部を少し切り落としてから水栽培して、根が出てきたら鉢に植え替えるというのがよいと思います。ただ、切り落とすのは必須ではありません。切り落とさなくても、あとで鉢の中の種の割れ目に沿ってカッターの刃で切り込みを入れてやる方法もあります。要は頂部が開けばいいわけです。

せっかく出てきた芽も寒さのため枯れてしまいます。よって、地植えではなく、鉢植えにしました。そして、冬の寒さを避けるために夜は室内に入れて、日中は太陽光を当てるというのを毎日行いました。ベランダに放置したものは芽が枯れてしまいました。

いきなり土に植える場合は春から始めるのがよいと思います。冬の間は様子を見るために水栽培しておいて、春に鉢植えにするとよいと思います。ただし、土の中の様子はわからないので、種を半分ぐらい埋めておいて、下半分の割れ目が広がって来るかで判断するしかありません。芯の部分から根が出始めると、そこの部分が太くなってくるので種が広がってきます。根が出たあとに芽が反対側に(種の頂部方向に)出ます。その時、頂部が噛み合っていて塞がっていることが多いので、最初に切り落としておくか、途中でカッターの刃で割れ目に沿って切り離すと、芽が出て来る時の障害物はなくなります。

種の中の生長点は種を立てた場合の下から3分の1ぐらいの高さのところにあります。よって、底部と頂部を切り落とす場合は、その芯の部分にかからないように切ればよいです。割と大胆に切り落とした種でも発芽しました。頂部は最高1cmくらい切っても大丈夫である可能性は高いです。底部は最高5mmぐらいにとどめておいた方が無難です。通常は頂部を5mm、底部を3mmぐらいの厚さで切り落とせば十分な気がします。切らなくても問題なく発芽する種も多いです。最初は切らずに水栽培を始めて、様子を見ながら途中で切るという方法もあります。むしろこの方法が生長過程の観察も出来て、それをもとにいろいろ判断できるので堅実です。

上記の結果はあくまでも私自身の結果であり、もっとよい方法もあるかもしれませんが、参考になれば幸いです。

2017年5月30日に下記を追記しました。植えていると緑色になってくる種と、そうでない種があります。その違いはどこにあるのかわかりませんが、少なくとも緑色になっている種は地中で根が出ていることの判断には使えそうです。土を掘り起こさなくて済むので、ある意味、非破壊検査です。

一度出てきた芽が寒さなどで枯れてしまった場合、さらに横から芽が出て来ることもありますが、多くの場合は出て来ませんでした。よって、一度新芽を枯らした種はいくら根が張っていても再発芽はあきらめた方がよいかもしれません。2017年春に蒔いた種は発芽して順調に生長したものが多かったですが、2016年冬に発芽したもののうちいくつかは冬越えに失敗して芽が枯れてしまったので、種を植える季節は重要だといえます。夜は部屋に取り込んで冬越えした苗は現在でもグングン育っています。

今後検討してみたいのは、ある程度育った苗を地植えして、霜の強いうちの実家の畑でどうなるかということです。このまま発芽したものを全部育てるのはどのみち無理です。大きな種から発芽したものの中に、葉っぱが大きくてきれいなものがあります。それは観葉植物として使えそうです。でも、私の目的は、単一品種でも実を生らせることです(端から無理と笑わないでくださいね)。輸入品のほとんどはハス種と言われていて、Aタイプなのですが、Bタイプと混植しないと受粉できないと言われています。でも、同じAタイプしかなくても、たくさんあれば、たまには開花が早かったり遅かったりするのがあるのではないかという考えです。そういったことは桜の開花にも見られますね。だからたくさん植えているわけです。まあ、自分でも難しいとは思っています。でも、だからといって何もしないより、やってみて確認する方がすきりするし、新しい知見が得られる可能性もあります。ただし、何年かかるか未知です。


結論

そのような希望を持って進めていた栽培ですが、結果的に2018年1月の大寒波で一気に枯れてしまいました。一方、室内の窓辺で育てている水栽培のアボカドの実生苗は生きていますが、水栽培には限界があります。よって、2018年3月11日現在、私の家の辺りの気候ではアボカドの露地栽培はかなり難しい(というか無理)という結論に至りました。鉢植えであれば、うまくやれば室内で観葉植物として楽しむことはできそうです。今後も室内で水栽培は続けていきます。新しい知見が得られたらまた記事にします。


アボカドの種をオブジェとして見た時に面白いと思ったのはペルー産の大きくて丸い種でした。


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