
(2015年9月24日)
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さんさりんごはガラにあかねを交配して生まれたものとされています。個人的にはりんごらしい形をしていると思います。大きさを無視すれば、表面の見た目は赤くないところだけ見ると昨年食べたサンむつに似ているように思いました。さっそく食べてみましょう。
食べてみたところ、桃を食べた時に感じる香りがしました。一般に果物の香りは酢酸エステル系の化合物であることが知られています。その香り成分の構造式(示性式)はCH3COOCnH2n+1(n=1, 2, 3,・・・)で表されます。エステルとは、酸とアルコールから水分子H2Oが取れて繋がった化合物の総称です。酢酸はCH3COOH, アルコールはCnH2n+1OHで表されます。桃のような香りといっても、nが2であるエタノールC2H5OHと酢酸の縮合物の酢酸エチルCH3COOC2H5(バナナやパイナップルに含まれる香料成分)や、nが5で枝分かれしたものであるイソアミルアルコールC5H11OHと酢酸の縮合物の酢酸イソアミルCH3COOC5H11(バナナやリンゴに含まれる香料成分、C5H11は分岐している)の香り成分の微妙なブレンド比の違い、あるいは桃の香り成分の酢酸ベンジルCH3COOCH2C6H5(CH3COOCH2Ph)が含まれていたためではないかと思われます。一般に桃の香りは酢酸ベンジルCH3COOCH2C6H5(CH3COOCH2Ph)に起因すると言われているからです。ちなみに洋なしの香り成分は酢酸プロピルCH3COOC3H7、バナナの香り成分は酢酸ブチルCH3COOC4H9、桃の香り成分として蟻酸エチルHCOOCH2H5、パイナップルの香り成分として酪酸エチルC3H7COOC2H5、ラズベリーの香り成分として蟻酸エチルHCOOC2H5、アプリコットの香り成分として酪酸イソアミルC3H7COOC5H11(C5H11は枝分かれしている)、ヒメコウジ(チェッカーベリー)の香り成分としてサリチル酸メチル(湿布薬などのスースーする成分)などが知られています。一つの果実に複数種類の香料分子が含まれているようです。化学の実験でも酢酸とアルコールから香料を作ることができますが、酸触媒として濃硫酸H2SO4を1滴とか滴下して使うので、気をつけなければなりません。
さんさリンゴの種は冷蔵庫に1日保存したものと、3時間ぐらい保存したものの2種類を蒔きました。きおう6個分と黄金桃1個分の種を蒔いたプランターに最初に蒔きました。
2015年10月6日(火)現在、発芽は見られません。冷蔵庫で冷やしてから蒔いたのですが、ほとんど休眠打破には役に立たない程度です。やはり冬を越さないと発芽しないような感じですね。
一方、冷凍したさんさりんごの種を10月1日に蒔きました。それが12月27日に1本発芽していました。凍らせた効果があるような気がします。
包丁で切っても軟らかい感じで、食感も今まで食べたことのあるリンゴの中で最も軟らかいと思います。酸味はあまりなく、甘味も控えめです。一番のサプライズは桃の香りがすることです!!サンジョナゴールドよりも軟らかくて酸味が少なくて桃の香りがする感じでしょうか。ただ、サンジョナゴールドはワックスで表面がヌルヌルしていますが、さんさはほとんどワックス分はなくて、水洗いする時も滑りません。美味しいです。私のお気に入りのリンゴになりました。冷蔵庫に種を保存しました。2015年9月25日にプランターに種を蒔きました。
お得な5個入りの袋を買ってきて食べた時の芯の部分を冷凍してから蒔きました。それから2ヶ月経って1本発芽しました。袋入りのさんさは小ぶりだったのですが、発芽しました。年内に発芽したのは時系列でミキライフ3本とシナノレッド2本と、さんさりんご1本です。
3ヶ月前に蒔いた、3時間冷蔵庫で冷やした種からも1本発芽しました。もう少しデータがないと何とも言えませんが、冷やすことは効果があるのかもしれません。
2016年3月7日(水)、最初の1本は数日前に枯れてしまいましたが、2本目が発芽していました。
2016年3月20日、さんさりんごは種から発芽することが確認できたので、栽培はここまでにしようと思います。