こんにちは。熊の実です。
今回は「な」で始まる鹿児島弁の単語を挙げています。「な」で始まる鹿児島弁は「に」「ぬ」「ね」「の」で始まる単語より多いです。けっこう重要な単語が含まれています。
解説は表のあとに書いています。
24番の「ナカエ」(下座敷)は、「オモテ」(床の間)同様、よく使います。
27の「ナカゴッナッタ」(紛失した)は「ネゴッナッタ」と同じです。
28番の「ナガシ」(梅雨)はよく使われます。若い人は「つゆ」と言うかもしれませんが、年配の人の中は「ながし」という人もいるでしょう。
29番の「ナガシノイー」(梅雨入り)はもともと「ナガシノイリ」、つまり「ながしの入り」が「ナガシノイー」となったものです。
30番の「ナガシバナ」(紫陽花(あじさい))は、梅雨の時期に咲くからでしょう。
39番の「ナカヨクイ」(中休み)は、「ヨク」が「休む」なので、「ナカヨクイ」は「中休み」となります。「ヨクイ」は「避ける」なので間違わないようにしましょう。
44番の「ナケ」(中へ)は、「ナカヘ」が「ナケ」になったものです。「ここに来い」が「コケケ」となるのと似ています。
48番の「ナケベッショ」(泣き虫)は「ナキベソ」ともいいます。
52番の「ナゴナッ」(寝そべる)は「長くなる」→「ナゴナッ」です。体を伸ばして寝そべるということです。「ソケナゴナッテンヨ」といえば「そこに長くなってごらん」つまり「そこに寝そべってみなさい」となります。
53番の「ナゴブイ」(久しぶり)は私は使ったことがありませんが、52番にもあった「ナゴ」の意味を考えれば「久しぶり」となります。
57番の「ナシケ」(何故?)は「〜ケ?」という疑問形です。「キュハナンニチケ?」「キュハナンニチヤッケ?」「キュハナンニチヤッケナ?」といえば、「今日は何日かなぁ?」「今日は何日かい?」「今日は何日?」という感じです。
69番の「ナッオラッ」(泣き叫ぶ)は「ナッ」(泣く)と「オラッ」(叫ぶ)がくっついたもの。
75番の「ナッチョイ」(なっている)は超重要です。よく使います。「ナッチョッ」でもいです。例えば、「ナッチョッガ」「ナッチョイガ」「ナッチョッド」は「なってるよ」、「ナッチョイカ?」は「なってるか?」といった感じです。
80番の「ナッベショ」(なきべそ、泣き虫)は、「ベソをかくこと」「ベソをよくかく奴」ということです。
89番の「ナマクセ」(生臭い)は「ヒエクセ」「ヒエクサカ」ともいいます。私のところでは後者でした。
90番の「ナマシレン」(いい加減な)は、私は子供の頃によく「ナマシレンコチョスンナ」「マコテナマシレンコッバカイスンモンジャッ」と怒られました。ただ、ニュアンスとしては「いい加減な」というより「いらんことをするな」(余計なことをするな)という感じで私は捉えていました。
91番の「ナマスカン」(生意気な)は、私の感覚としては、「ナマ」が体の一部で感じるようなニュアンスで、いわゆる「感覚的に」という感じで、「スカン」は「好かん」です。標準語のいわゆる「いけ好かない」(相手の態度がいやらしくてきらいだ)に近い感じだと思うんですよね。だから「ナマスカンワロ」といえば「何となくいけ好かない奴」という風に私は捉えます。
92番の「ナマヌッカ」(なま暖かい)は「ナマ」 + 「ヌクイ」という意味です。ただ、標準語の「ぬくい」は「気持よく暖かい」といった感じですが、「ナマ」がついていることによって「感覚的に」といった意味が加わります。これが私の解釈です。93番の「ナマヌルカ」(なまぬるい)もほぼ同様の解釈ができます。
99番の「ナユッ」(移す)は「ナエタ」(しまった)という感じで使います。九州で使われる「なおす」(しまう)が元々の意味だと思います。標準語では「直す」といえば「修理する」「治す」といった意味ですが、鹿児島弁での「ナオス」は「しまう」「収納する」「片づける」といった意味になります。「ナユッ」(移す)はそこからきているのだと思います。私自身は「ナユッ」という言葉は使ったことはなく、「ドケナエタケ?」(どこに片づけたの?)という使い方をします。
100番の「ナユショット」(何をしているの)は「ナイショット」と同じです。英語の「Nice shot!」とほぼ同じ発音ですが、ceを発音しなければ鹿児島弁の「ナイショット」です。
105番の「ナル」(習う)は、英語のbecomeの意味の「なる」は「ナッ」です。「ナル」は「習う」です。
112番の「ナンカ」(長い)はよく使われます。「ナンカナ〜」は「長いな〜」であって、阿藤快さんの「何だかな〜」の意味ではありません。
113番の「ナンカカッ」(もたれかかる)は重要です。ぜひ覚えておいてほしいと思います。
114番の「ナンカンセック」(七草節句)は「七日の節句」という意味です。
117番の「ナンコ」(南交(なんこ)、箸戦(なんこ))は、2人で対面で焼酎を飲むゲームです。短い角棒を数本、背中に回した手に隠し持って、その本数を相手に当てさせます。違っていたら焼酎をおちょこで一気飲みしますだから「何個?」と私は理解しています。
121番の「ナンダ」(涙)は、「ナンダガデックッド」(涙が出て来るよ)といった感じで使います。
122番の「ナンチ?」(何?)は。「イマナンチュウタカ?」(今、何と言うたか?)(今、何と言ったか?)といった感じで使います。
124番の「ナンチワナラン」(非常に良い)は反語的です。「何ともいえない」の意味です。「ナンチワナラン」→「ナントモイワナラン」→「ナントモイウコトガデキナイ」で「言葉が出ないほど非常に良い」となります。でも、何も言うことができないほどひどい時にも使われると私は思います。
126番の「ナンデン」(何でも)は、「ナンデンカンデン」(何でもかんでも)でお馴染みではないでしょうか(私だけ?)。
128番の「ナントンシレン」(つまらない)は、「何とも知れない」→「何とん知れん」→「ナントンシレン」と考えればわかります。私は子供の頃、じいちゃんから怒られる時に「ナントンシレン」と捨て台詞で言われました。
130番の「ナンブ」(いくら)は私は使ったことがありませんが、いわゆる「なんぼ?」でしょうか。「なんぼ」は大阪弁とか、北海道方言とか言われていますが、ほぼ標準語ではないのでしょうか。ちなみに、北海道出身の中島みゆきさんの歌に「春までなんぼ」というのがあります。私のお気に入りの曲の一つです。
131番の「ナンマンサア」(仏様)は「ナンマンダブ、ナンマンダブ」と「サア」(様)からきているのだと思います。
以上、「な」で始まる単語やフレーズでした。補足説明が多くなってしまいました。それだけに重要度は高いと思います。
それでは、また。
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