「い」で始まる鹿児島弁の単語とフレーズ

こんにちは。熊の実です。

今回は「い」で始まる鹿児島弁の単語を挙げています。表の下に主なものだけ補足説明・解説しています。

「い」で始まる鹿児島弁の単語は「あ」の場合より20個ぐらい多かったです。あなたはいくつ知っている単語がありますか。

「い」で始まる鹿児島弁の単語

番号
鹿児島弁
意味
1
よい、良い、好い、善い
2
イー
炒る
3
イー
キリ、錐
4
イータクッ
炒める
5
イイウン
入り江
6
イイトグッ
入り口
7
イイトグッガナカ
入り口がない
8
イイトグッガアッタ
入り口があった
9
イオ
10
イオガドッサイオッ
魚がたくさんいる
11
イオウイ
魚売り
12
イガア
井戸
13
イカイ
錨(いかり)
14
イカナコテ
まさか
15
イキイ
生きる
16
イク
17
イグイ
えぐる
18
イクサ
ようこそ
19
イクスッ
生きている
20
イクセンカ
息を吸え
21
イクッ
埋める
22
イクロ
酔う
23
イゲ
刺(とげ)
24
イゲバラ
薔薇
25
イケンシテン
どうしても
26
イケンシテンヤッセン
どうしてもダメだ
27
イケナコッ?
どんな(調子、具合)か?
28
イケホイ
墓穴を掘ること
29
イケル
(墓穴に棺などを)埋める
30
イゲラシ
せっかちな
31
イケンカ?
どうだ?どんな感じか?
32
イケンスイヤ?
どうするか
33
イケンシモソカ?
どうしましょうか?
34
イケンシモンソ
いかがしましょう
35
イケンシヤットナ?
どうするのですか?
36
イケンスイカ?
どうするか?
37
イケンスイケ?
どうするか?
38
イケンスットナ?
どうするの?
39
イケンデンコゲンデン
滅茶苦茶に、いい加減に
40
イケント?
どんなもの?
41
イケンナ?
どうだ?どうでしょう
42
イケンモコゲンモ
どうにもこうにも
43
イケンモデキン
どうにもできない
44
イケンヤ?
どうだ?
45
イケンヨ?
どうだ?
46
イコ
行こう
47
イコ
うろこ
48
イコ
ふけ(頭などにたまる)
49
イゴカスッ
動かす
50
イゴッ
動く
51
イコゴッタッ
行きたいなぁ
52
イコゴタァナカ
行きたくない
53
イコゴタイネ
行きたいねぇ
54
イコモッ
イコ餅(菓子)
55
イコヤ
行こうや
56
イサ
医者
57
イサドン
医者
58
イサケ
喧嘩、いさかい
59
イサコ
争う
60
イザンド
よいですよ
61
イシガッ
石垣
62
イシキイ
石工
63
イシゲ
アサリ
64
イジクッ
いじる
65
イシタタッ
セキレイ(鳥)
66
イシタハラ
しまった
67
イシッ
鹿児島市の伊敷(地名)
68
イショ
衣装、着物
69
イショアレ
洗濯
70
イジョケ
米あげザル
71
イシヅロ
石灯篭(イヅロと同じ)
72
イシレン
くだらない、余計な
73
イシレンコツスンナ
くだらないことをすんな
74
イスグイ
揺すぶる
75
イズッ
茹でる
76
イズン
出水市(地名)
77
イセダ
急いだ
78
イソッ
急ぐ
79
イソッタクッ
慌て急ぐ
80
イタ
行った
81
イタイモネ
ずるい
82
イタイモネ
だらしない
83
イタイモナカ
だらしない
84
イタオ
行きましたよ
85
イタカ
痛い、(風呂などが)熱い
86
イタグラ
あぐら
87
イタグラヲカッ
あぐらをかく
88
イタシッ
板敷き
89
イタッ
行って
90
イタッキモシタ
行ってきました
91
イタッキモンデ
行ってきます
92
イタッキヤンセ
行ってらっしゃい
93
イタッケ
行ってこい
94
イタツケ
かまぼこ
95
イタッミレ
行ってみろ
96
イタド
行って来たぞ
97
イタメムン
炒め物
98
イダルイ
うだる、茹だる(うだる、ゆだる)
99
イタン
痛む、痛み
100
イチジッ
無花果
101
イチエンガッモネ
一円の価値もない
102
イテ
熱い
103
イッ
104
イッ
射つ(うつ)
105
イヅィ
茹でる(ゆでる)
106
イッエ
勢い
107
イッガ
行こうや
108
イッカエタ
ひっくりかえした
109
イッガキルッ
息が切れる、息切れがする
110
イッカクイ
ひっかける、浴びせかける
111
イッカスイ
教える
112
イッカセタ
教えた
113
イッカセル
言ってきかせる、教える
114
イッカセックルイ
教えてあげる
115
イッカセンカ
教えろよ
116
イッガネ
指輪
117
イッカヤス
ひっくりかえす
118
イッガンサァ
生き神様(人間)
119
イッキ
すぐに
120
イッキケ
すぐに来なさい
121
イッキャットナ
行くのですか
122
イッキョ
行き会う
123
イッキョタ
行き会った
124
イッギレマッギレ
生も切れ切れ
125
イック
食べる
126
イックタ
食べてしまった
127
イッゴ
いちご
128
イッコッ
頑固
129
イッコッモン
頑固者
130
イッコッガンナイ
短時間で終わる雷鳴
131
イッコッビヨイ
降ったり照ったりの天気
132
イッコン
一尾
133
イッコン
入れこむ
134
イッサ
戦(いくさ)
135
イッサッ
アオギリ、梧桐(あおぎり)
136
イッシュ
一升
137
イッスィ
行き違う
138
イッスィヨ
すれ違いになる
139
イッスユ
すれ違いになる
140
イッスィゴタ
行き違った
141
イッズィ
いつまで
142
イッズイネットカ
いつまで寝ているの
143
イッスン
少しも
144
イッソンコテ
いっそのこと
145
イッタドン
行ったけど
146
イッタドンオラン
行ったが居ない
147
イッタドンカァ
入るには入ったが、行くには行ったが
148
イッタバッテ
入ったが、行ったが
149
イッダマシ
魂、精魂
150
イッタモイ
食べる
151
イッチゴタ
行き違った
152
イッチゲ
行き違い
153
イッチニッ
一日中
154
イッチルイ
入れる
155
イッチ
いちばん、一等
156
イッチャ
一つ、片一方
157
イッチャビラ
一張羅
158
イッチャガンモネ
一文の価値もない
159
イッヂュイ
いつまで
160
イッチョイ
入っている
161
イッチョル
入っている
162
イッヂョン
昔、同じように
163
イッチョチョンゲ
片足跳び
164
イッヂョキ
一緒に
165
イッツッ
追いつく
166
イッズィ
いつまで
167
イッズマイ
行き止まり、行き詰まる
168
イッズマイ
息詰まり
169
イッデ
行くから
170
イッデ
一代
171
イッデン
いつでも
172
イッデンカッデン
いつも
173
イット?
行くの?
174
イッドキ
一緒に
175
イッドキサルッ
一緒に行動する
176
イットク
けつまずく
177
イットナ
行くのですか?
178
イットッ
ちょっと
179
イットッマックイヤイ
少し待ってください
180
イットッドマ
少しの間くらい
181
イットッノコッ
一寸のこと
182
イットデタ
行き届いた
183
イットドッ
行き届く
184
イットッバッカイ
ちょっとの間
185
イッナ?
行こうか?
186
イッノコメ
いつのまにか
187
イッノコメオランド
いつの間にか居ないよ
188
イッバンニ
最初に、ます
189
イッペ
いっぱい、一杯
190
イッペコッペ
あっちこっち
191
イッペノンガ
一杯飲もうや
192
イッメ
行ってみたら、行ってみろ
193
イッメ
行かない
194
イッメ
一枚
195
イッモカイモ
いつも、常に
196
イッモソ
行きましょう
197
インモドイ
往復
198
イッモンガ
行きましょうよ
199
イッモハン
行きません
200
イヅロ
石灯篭(鹿児島市の地名)
201
イテ
痛い、熱い
202
イデ
いぜき、堰(いぜき、せき)
203
イトウイ
へちま
204
イドコネ
うたた寝
205
イトマゲ
お別れ、いとまごい
206
イトヨイユエ
米寿の祝い(女子のみ)
207
イトワネ
痛くない、熱くない
208
イナイサア
お稲荷さん
209
イナカムン
田舎者
210
イナッ
癒る(いる)
211
イナバ
御転婆(おてんば)
212
イナビカイ
稲妻
213
イネ
強い
214
イネコッ
稲こぎ
215
イネタンゴ
てんぴん棒で担ぐ桶
216
イネテ
担ぐ人
217
イネテゴ
担ぎカゴ
218
イノ
担ぐ
219
イノクッ
夕方、黄昏時
220
イノコ
土のう、網代(あじろ)
221
イノタ
担いだ
222
イノッ
223
イノッ
祈る
224
イバイ
威張る
225
イビィ
いびる
226
イヒカッ
石垣
227
イブスッ
指宿(鹿児島の地名)
228
イヘ
位牌
229
イマサッ
先程
230
イマヤッタ
ただいま
231
イミイ
増える
232
イミシ
けちんぼ、意地の悪い
233
イミッ
増える
234
イメゴロ
はにかみ、内気者、シャイな者
235
イメジン
グズ、愚図、内気者
236
イモイ
イモリ
237
イモガラボット
里芋の茎
238
イモッ
239
イモッジョ
妹さん
240
イモレ
目のできもの
241
イヤ
えな、胞衣(えな、ほうい、ほうえ)
242
イヤシゴロ
いやしん坊
243
イヨ
244
イヨヲカン
魚を食べる
245
イラ
イラガ
246
イラ
クラゲ、水母
247
イヲツイザオ
釣り竿
248
イヲツイバイ
釣り針
249
イラコ
ウロコ、鱗
250
イランコッ
余計なこと
251
イレムン
入れ物
252
イロヒッ
顔色
253
イロヒッガワリ
顔色が悪い
254
イワンコッ
言わぬこと
255
イワンコッジャイガ
余計なことだよ
256
イン
257
インガネッ
野ぶどう
258
インガメ
犬神
259
インタラゲ
イタヤ貝
260
インノメ
いつの間に
261
インノメ
眼病
262
インノメキタトヨ
いつの間に来ましたか
263
インブノッ
オガタマの木
264
インマンコテ
その内に
265
インマサッ、イマサッ
今先

6番について:入り戸口と考えれば理解できます。

10番について:「イオガドッサイオッ」(魚がたくさんいる)は「イオガズンバイオッ」でもいいです。

21番について:「イクッ」は「イケル」で「埋める」という意味です。

22番について:「イクロタ」といえば「酔っぱらった」という意味です。

25番について:「イケンシテン」(どうしても)は「いけんしてんでけん」(どうしてもできない)という風に使います。

48番について:「イコ」は「フケ」です。フケの出ている頭を「イコビンタ」と言っていました。鹿児島弁では「ビンタ」は「頭」ですので、標準語のビンタの意味はありません。

54番について:「イコモッ」は「イコ餅」というお菓子で、48番のフケとは関係ありません。

57番について:「イサドン」は私は「イシャドン」といっていました。「ドン」は「西郷どん」の「どん」と使い方は同じです。

58番について:「イサケ」は「イサカイ」です。「イサカイ」が「イサケ」になっただけです。

64番について:「イジクッ」は「いじる」であって、「いじける」ではないので注意。

65番について:「イシタタッ」は鳥の「セキレイ」のことです。ハクセキレイが歩きながら尻尾を上下に振っているのが、石を叩いているように見えるのでしょうか。私はそういうふうに想像しました。そうすると「イシタタッ」になってもおかしくありません。

66番について:「イシタハラ」は厳密にいうと「イシタ・ハラ」となります。「ハラ」は「ハラ・シモタ」(ああ、しまった)のように使う感嘆詞のようなものです。「イシタ」だけで「しまった」という意味があると個人的には思います。それに「ハラ」が付いているだけです。ですから、「イシタ」だけでも通じると思います。

69番について:「イショアレ」は「衣装洗い」と考えれば「洗濯」だとわかります。

85番について:「イタカ」は「イタイ」と同じですが、鹿児島特有の意味があるので注意です。painの方の「痛い」はそのままで通じますが、「(風呂などが)熱い」の方は、「フロガイタカ」、「フロガイタイ」と言います。

111番について:「イッカスイ」は「教える」ですが、私の場合は「ユッカスイ」と言っていました。

119番について:「イッキ」は「すぐに」という意味です。120番の「イッキケ」は「コケケ」(ここに来い)と同様に、「すぐに来なさい」という意味です。

130番について:「イッコッガンナイ」は「短時間で終わる雷鳴」ですが、「一刻雷(いっこくかみなり)」と考えればわかります。「カミナリ」が「カンナイ」になって「イッコク」と結びついて「ガンナイ」になって「イッコッガンナイ」となります。

142番について:「イッズイネットカ」は「いつまで寝ているの」ですが、私の場合は「イッズイネッチョットカ」で「いつまで寝ているの」でした。「イッズイネットカ」はどちらかというと「いつまで寝るのか」という感じで、若干ニュアンスが違うような気がします。

146番について:「イッタドンオランカッタ」なら「行ったが居なかった」となります。

150番について:「イッタモイ」は強調の「イッ」が付いた「タモイ」で「食べる」です。「ひん曲がる」の「ひん」みたいな感じです。

157番について:「イッチャビラ」は「一張羅」だというのは何となくわかりますよね。

158番について:「イッチャガンモネ」は「一文の価値もない」ですが、「イッチャ」が「ひとつの」で「一文」、「ガン」が「価値」「モネ」は「もない」と考えれば何となくわかると思います。101番の「イチエンガッモネ」(一円の価値もない)とほぼ同じです。

172番の「イッデンカッデン」は「いつも」で、意味は違いますが似たような言葉で熊本とか九州の県では「なんでんかんでん」(なんでも)という言葉があります。

178番の「イットッ」は「イットキ」→「一時」でわかります。「ちょっと」です。

195番の「イッモカイモ」(いつも、常に)は、似たような表現に「ナイモカイモ」(なにもかも)があります。

203番の「イトウイ」は「へちま」ですが、糸がたくさんある瓜(うり)だと考えればわかります。

207番の「イトワネ」は「痛くない、熱くない」ですが、「イタクハナイ」→「イトハネ」で何となくわかります。

246番の「イラ」について:「イラ」は「クラゲ、水母」ですが、245番で書きましたが、私は柿の木の葉っぱにいる「イラガ」を「イラ」と呼んでいました。

228番の「イヘ」について:鹿児島弁では「ヘ」といったら「灰」、「屁」、「蝿」です。基本的に「ハイ」とか「ハエ」が「ヘ」となります。よって位牌(いはい)は「イヘ」となります。

232番の「イミシ」は「けちんぼ、意地の悪い」という意味がありますが、私の場合はもっぱら後者の意味で使っていました。兄弟喧嘩してちょっと荒っぽいこと、たとえば蹴飛ばしたりすると母ちゃんから「そげないみしことすんな」「そげんいみしゅすんな」と言われていました。私は「そんな荒いことをするな」という意味かと思っていました。

234番の「イメゴロ」について:鹿児島弁では「〜ゴロ」といえば「〜者」の意味です。「イメゴロ」は「はにかみ、内気者、シャイな者」ですが、私は使ったことがありません。235番の「イメジン」は「〜人」だと思われます。私は「イメジン」(グズ、愚図、内気者)も使ったことがありません。

237番の「イモガラボット」について:うちの母ちゃんは「大きな芋虫」を「イモガラ」といいます。

242番の「イヤシゴロ」(いやしん坊)はよく使いました。

243番の「イヨ」(魚)は、「イヲ」とも言います。

244番の「イヨヲカン」(魚を食べる)は「魚を噛む(咬む)」ということです。

263番の「インブノッ」は「オガタマの木」ですが、「〜の木」は「〜ノッ」といいます。柿の木は「カキノッ」、杉の木は「スギノッ」といった感じです。

また、随時加筆します。

それでは、また。

鹿児島弁の五十音表
(クリックするとその文字が先頭の単語一覧表に飛びます)







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