「つ」で始まる鹿児島弁の単語とフレーズ
こんにちは。熊の実です。
今回は「つ」で始まる鹿児島弁の単語を挙げています。「つ」で始まる鹿児島弁の単語は「た」行の中では「と」の次に多いです。けっこう重要な表現が含まれています。
解説は表のあとに書いています。
それでは見てみましょう。
「つ」で始まる鹿児島弁の単語
番号 |
鹿児島弁 |
意味 |
1 |
ツ |
甲羅 |
2 |
ツ |
できものと皮 |
3 |
ヅ |
頭 |
4 |
ヅ |
胴 |
5 |
ツア |
つわぶき |
6 |
ツイ |
強い |
7 |
ツイ |
釣り銭 |
8 |
ツイ |
釣り |
9 |
ヅイ |
迄 |
10 |
ツイエ |
釣り合い |
11 |
ツイグッ |
つなげる |
12 |
ツイデコン |
吊り大根 |
13 |
ツイバッ |
手水鉢 |
14 |
ツイヨ |
釣り合う |
15 |
ツイヨタ |
釣り合った |
16 |
ツエ |
強い |
17 |
ツエブッ |
強がる |
18 |
ツカアネ |
差し支えない |
19 |
ツカマユッ |
捕まえる |
20 |
ツガランネ |
とんでもない |
21 |
ツカン |
摑む |
22 |
ツガンネヒコ |
沢山 |
23 |
ツカンサガッ |
摑み下がる |
24 |
ツガンネコッ |
思いがけないこと |
25 |
ツカンヨ |
つかみ合う |
26 |
ヅキ |
木や竹の先端 |
27 |
ツクイ |
漬ける |
28 |
ツクイ |
作り |
29 |
ツクイ |
いつわり |
30 |
ツクイタテ |
出来立て |
31 |
ツクイタテゴッ |
うそ、作り事 |
32 |
ツクッ |
作る |
33 |
ヅクシ |
熟れた柿 |
34 |
ツクジッ |
くすぐる |
35 |
ツクジイタクッ |
突き回す |
36 |
ヅクヅクイッショ |
ツクツクボウシ |
37 |
ツクラ |
ふところ |
38 |
ツグラ |
どくろ |
39 |
ツクロ |
ふところ |
40 |
ツグロ |
薄黒 |
41 |
ツグロジン |
打撲後の内出血の紫色、青あざ |
42 |
ツケ |
使い |
43 |
ツケ |
差し支え |
44 |
ツケアゲ |
さつま揚げ |
45 |
ツケアネ |
差し支えない |
46 |
ツゲザラ |
燈明皿(とうみょうざら) |
47 |
ツケッ |
マッチ |
48 |
ツケムン |
漬け物 |
49 |
ツコ |
使う |
50 |
ツゴ |
都合 |
51 |
ツシ |
天井 |
52 |
ツシ |
通便 |
53 |
ツシケザメ |
続けざまに |
54 |
ツシマキ |
つむじ風 |
55 |
ヅス |
留守 |
56 |
ヅスバン |
留守番 |
57 |
ツズン |
鼓(つづみ) |
58 |
ツタ |
言った |
59 |
ツダ |
飛んだ |
60 |
ヅタンバラ |
横腹 |
61 |
ツッ |
土 |
62 |
ツッ |
月 |
63 |
ツッ |
突く |
64 |
ツッ |
着く |
65 |
ツッ |
次 |
66 |
ツッ |
唾 |
67 |
ツッ |
粒 |
68 |
ツッ |
注ぐ |
69 |
ツッ |
接ぐ |
70 |
ツッ |
継ぐ |
71 |
ヅッ |
頭痛 |
72 |
ヅッ |
額、おでこ |
73 |
ヅッ |
尖端 |
74 |
ヅッ |
出る |
75 |
ツッアカイ |
月明かり |
76 |
ツッアタイ |
衝突 |
77 |
ツッカカイ |
さわる、触る |
78 |
ツッカベ |
土壁 |
79 |
ツッカラツギ |
次々に |
80 |
ツッキャマ |
築山 |
81 |
ツッキョ |
付き合い |
82 |
ツックヤス |
壊れる |
83 |
ツックユッ |
崩れる |
84 |
ツックワセ |
突き合わせ |
85 |
ツッグワッ |
割る、壊れる |
86 |
ツッケ |
交際 |
87 |
ツッドン |
お月様 |
88 |
ツッパシイ |
破裂する |
89 |
ツッパッ |
意地を張る |
90 |
ツッバレ |
月払い |
91 |
ツッポガス |
貫通する |
92 |
ツッポッドクイ |
ほどける、解ける |
93 |
ツッヨセ |
土寄せ |
94 |
ツツン |
包み |
95 |
ツツンゼン |
包み金 |
96 |
ツト |
ふくらはぎ |
97 |
ツトメサッ |
勤め先、勤務先 |
98 |
ツトムッ |
努める |
99 |
ツナッ |
つなぐ |
100 |
ツナヒッ |
綱引き |
101 |
ツナン |
津波 |
102 |
ヅニノボッ |
のぼせる、図に乗る |
103 |
ツバッ |
椿 |
104 |
ツバッ |
唾液、唾(つばき) |
105 |
ヅバッ |
沢山 |
106 |
ツブケ |
汚水溜め |
107 |
ツブッ |
裾(すそ)をまくり上げる |
108 |
ヅベ |
土手 |
109 |
ヅベヲクッ |
潜水する |
110 |
ツボン |
縮む |
111 |
ツマイノハテ |
結局 |
112 |
ツマシ |
質素 |
113 |
ツマッ |
詰まる |
114 |
ツマヅッ |
倒産する |
115 |
ツマン |
つねる |
116 |
ツマンクジイ |
ひどくつねる |
117 |
ツムッ |
紬 |
118 |
ツモッ |
見積もる |
119 |
ヅモッ |
どもる |
120 |
ヅッモネ |
途方もない |
121 |
ヅヤ |
監獄 |
122 |
ツラ |
顔面 |
123 |
ツラカ |
辛い |
124 |
ツラダマッ |
面魂(つらだましい) |
125 |
ツラハッ |
赤恥 |
126 |
ツランニッカ |
面憎い(つらにくい) |
127 |
ツリ |
井戸 |
128 |
ツルッ |
剣(つるぎ) |
129 |
ヅルッ |
全て |
130 |
ツルッパゲ |
禿げ頭 |
131 |
ツルンタラン |
不足気味 |
132 |
ヅルンヅルン |
ずるずる物が滑る |
133 |
ツレ |
辛い |
134 |
ツレ |
仲間 |
135 |
ツレッチク |
連れて行こう |
136 |
ツレンシ |
仲間の人達 |
137 |
ツロ |
燈篭(とうろう) |
138 |
ツワ |
ツワブキ |
139 |
ツワイ |
悪阻(つわり) |
140 |
ツワスルイ |
忘れる |
141 |
ツン |
積む |
142 |
ツン |
刈る |
143 |
ツン |
罪 |
144 |
ツンオッ |
折る |
145 |
ツンキイグサ |
マツバボタン |
146 |
ツンクィカエッ |
掘り返す |
147 |
ツンクイカヤス |
弄くり回す(いじくりまわす) |
148 |
ツンゴッ |
折る |
149 |
ツンサッ |
引き裂く |
150 |
ヅンダレ |
だらしのないこと、だらしのない人 |
151 |
ツンツクイ |
罪づくり |
152 |
ツンテ |
冷たい |
153 |
ツンネッタ |
眠ってしまった |
154 |
ツンヌカイ |
泥まみれになる |
155 |
ツンヌクイ |
打ち抜く |
156 |
ツンヌケタ |
突き抜けた |
157 |
ツンヌルイ |
濡れる |
158 |
ツンノトイ |
鶴、ツル |
159 |
ツンノマゴ |
六世孫 |
160 |
ツンノヨ |
月の夜 |
161 |
ヅンバイ |
沢山 |
162 |
ツンブシ |
膝頭(ひざがしら) |
163 |
ツンボルッ |
折れる |
164 |
ツンムクイ |
皮などが剥ける |
165 |
ツンムシッ |
むしりとる |
166 |
ツンモイ |
漏れる |
167 |
ツンモユッ |
燃える |
9番の「ヅイ」(迄)は、「イッヅイオットヨ」(いつまでいるのか?)などの使い方です。
18番の「ツカアネ」(差し支えない)は、私のところでは「ツカヤネーガ」(差し支えないよ)みたいに使っていました。
33番の「ヅクシ」(熟れた柿)は、色づいた固い柿ではなくて、軟らかくなった柿で、うちの辺りでは「ズグイッショ」と言っています。
36番の「ヅクヅクイッショ」(ツクツクボウシ)は、ツクツクボウシの鳴き声を模した名前のようです。
44番の「ツケアゲ」(さつま揚げ)はよく使われます。
45番の「ツケアネ」(差し支えない)は、うちでは「ツカヤネ」と聞こえていました。「ツカエハナイ」→「ツカヤネ」という感じでしょうか。
52番の「ツシ」(通便)は「お通じ」→「ツシ」と考えればよさそうです。
53番に「ツシケザメ」(続けざまに)は、「ツヅケザマニ」→「ツシケザメ」
59番の「ツダ」(飛んだ)はよく使いました。
85番の「ツッグワッ」(割る、壊れる)はよく「ソゲンコチョスットツッグワッド!」(そんなことしたら壊るっぞ!)とよく怒られました。84番とよく似ているので間違わないように注意が必要です。
88番の「ツッパシイ」(破裂する)は、私のところでは「ヒッパシイ」と言っていました。「フウセンガヒッパシッド」(風船が破裂するよ)
91番の「ツッポガス」(貫通する)は、「ソゲンコチョスットビンタツッポガイド」(そんなことすると頭を怪我するぞ)とよく子供の頃に怒られました。
112番の「ツマシ」(質素)は、「ツマシュウスッ」(質素な生活をする)にように使っていました。
115番の「ツマン」(つねる)と116番の「ツマンクジイ」(ひどくつねる)は、よく使っていました。
144番の「ツンオッ」(折る)は「ツン」が「折る」を強調している感じだと思います。
以上です。「つ」から始まる鹿児島弁の単語やフレーズの重要度は高いといえます。
それでは、また。
鹿児島弁の五十音表
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