鹿児島弁の単語を五十音表で44個分まとめる過程でわかったことのまとめ

こんにちは。熊の実です。

今回、私が高校卒業まで過ごした鹿児島県の北薩地方で覚えた鹿児島弁の記憶にもとづいて、本も参考にしながら鹿児島弁の単語をまとめてみました。五十音表で44個分でした。そして、その過程でわかったこと・感じたこと・気づいたことを書いてみます。

下記に箇条書きします。

極限すれば、多少単語(の文字)が違っていても、音程が合っていれば通じる可能性があります。文脈(状況)とイントネーションで判断しているからです。

ネイティブでも文字に起こした文章を読んだらかなり難解です。頭の中で何度もシミュレーションしてやっとわかります。そういう意味では鹿児島弁ではイントネーションが最も重要です。文字に起こすととたんに意味がわからなくなる理由は、音の高低というか、抑揚に意味が込められているからだと思います。

一つの単語でも文字に起こすと微妙に違ったものが複数あることがしばしばです。それでもイントネーションが合っていれば意味は通じる可能性が高いです。

極端に言えば、単語を言わなくても音程だけでもある程度何を言いたいか理解可能です。疑問か肯定かなど、ニュアンスが伝わるからです。その場の話の流れ、文脈をもとにけっこう理解できると思います。

同じ単語なのに「〜ムン」と「〜モン」が単語帳では区別されているのが不思議でした。私個人では「モ」の方を使っていた認識ですが、「ム」と聞こえるのも地域によってはあるのかもしれません。あるいは「ム」と「モ」の間の音があるのでしょうか(そうではない気がしますが・・・)。

同じ単語で「し」と「す」の両方がありました。例えば「オシクッ」と「オスクッ」など。ほかの文字にもそういうのがあります。

人を表わす接尾語がけっこうたくさんありました。例えば、「〜ドン」(セゴドン、ツッドン)、「〜ワロ」(アンワロ、ウンワロ)、「〜ゴロ」(ノンゴロ)、「〜シャ」(ブゲンシャ、キリゴンシャ)、「〜ヒト」(キレイカヒト、ヌヒト)、「〜タン」(ヌケタン)、「〜タッ」(ワイタッ)、「〜シ」(アンシ)、「ニセ、〜ニセ」(ヨカニセ)、「〜ボ」(ハラカッボ)、「〜ムン」(ヒンナムン)、「〜モン」(イッコッモン、キレモン、テンガラモン、トヒナモン、ヨンゴモン)、「〜ニン」(タッニン)、「〜フト」(〜な人)、「〜シト」(カテシト)、「〜サァ」(チゴサァ、ホイサァ)、「〜ヤッ」(ミトンネヤッ)、「〜オトコ」(ハイカラオトコ)。名詞自体が人も表わす場合もありました。例えば、「ヨゴレ」(汚い人、「クッサレ」(汚い奴)「ダッキョヅラ」「タマシキッ」「ナカダッ」「ナケベッショ、ナッベショ、ナッベソ」。詳細はこちらへ↓

五十音表で44個以外の「る」「れ」に関しては言葉がないわけではなく、思いつくものはほとんど標準語だったというふうに思ってもらえればいいと思います。ずっと考えていれば1つ2つは見つかると思います(本当になかったりして・・・)。標準語の単語も鹿児島弁のイントネーションとリズムで話すと鹿児島弁になります。鹿児島弁はイントネーションが最重要です。

単語自体はけっこう標準語もあります。九州弁もあります。鹿児島弁にアレンジして使ってるのものも多いです。例:行く→いっ、来る→くっ、する→すっ、食べる→たぶっ、見る→みっ、聞く→きっ、嗅ぐ→かっ、触る→さわっ、など。ただ、鹿児島弁特有の単語もありますので、それは覚えるしかないでしょう。漢字にすると何となく意味がわかるものもあります。

スピーキングの方は同じ日本人なので標準語でもいいと思います。問題はリスニングの方です。相手が何を言っているかわからないと返しようがありません。

「ん」で始まる単語があるのは変わっていると思いました。しかし、実際は「う」で始まる単語とかぶっているものも多いです。つまり、「ん」で始まる単語の先頭に「う」を付けても通じるということです。ただし、全部ではありません。例えば「ンダモシタン」は「ウンダモシタン」でもいいですが、「ンドン」に関しては「ウンドン」はありません。「ちゃわんむしの歌」の歌い出しの「ウンダモコラ」は「ウ」が付いています。「ンーダモコラ」でもぎりぎりOKですかね。

ざっとまとめると以上です。要するに発音とイントネーションがマスターできれば意味はだいたいわかります。音の変化にも意味がかなり含まれているからです。多少の単語の違いは問題ではないと思います。なぜならば、鹿児島県内でも地域によって単語に若干の違いがあるにもかかわらず、ほぼ問題なく通じるからです。

気付いた分は随時追記していきます。NHKの大河ドラマ「西郷どん」が始まる前に、ちょっと勉強してみてはいかがでしょうか。「西郷どん」が始まったら私もこのサイトで鹿児島弁を解説していこうかと思っています。

今から楽しみです。

それでは、また。

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