こんにちは。熊の実です。
「西郷どん」の第17回「西郷入水」が2018年5月13日(日)の20時からNHK総合でありました。
こんにちは。熊の実です。 「西郷どん」の第16回「斉彬の遺言」を2018年4月29日(日)の20時からNHK総合で見ました。 今回は「安政の大獄」が井伊直弼によって実行され、ヒー様も邸内に3年も蟄居させられるという内容でした。また、橋本左内が井伊一派に捕らえられ、西郷と月照は薩摩...
前回は安政の大獄が井伊直弼によって実行され、橋本左内が井伊一派に捕らえられたため、今回はターゲットが西郷と月照に絞られることになりました。二人は薩摩に逃げのびたのですが、薩摩に帰って来た島津斉興が再び実権を握ったため、錦江湾に入水するまでに追い詰められるという内容でした。ちなみに「入水」は「にゅうすい」と「じゅすい」の二通りの読み方がありますが、大河ドラマの中で使われていたのは後者でした。
第17回の鹿児島弁の割合は、舞台が薩摩だっただけにけっこうたくさんありました。しかし、だいたいこれまでに出て来た単語やフレーズが多かったので、難易度はそれほどでもなかったと思います。やはり抑揚が肝です。
それではさっそくその第17回放送分を見ていきましょう。
第17回放送の中で出てきた鹿児島弁の意味
以下は5月6日(日)の第17回放送の中で出てきた鹿児島弁の単語やフレーズです。よく聞き取れなかったりして自分なりの鹿児島弁になっているところもあるかもしれません。
単語やフレーズ | 意味 |
---|---|
じゃっどん、さつまのきびしかせきしょをどげんしてぬけるかじゃっ | しかし、そうはいても薩摩の厳しい関所をどのようにして抜けるかだ |
きょうのてらからさつまのてらにつかわされたおつかいそうとしてうやうやしくたてまつっとじゃっ | 京の寺から薩摩の寺に遣わされたお使い僧として恭しく奉るのだ |
そいならげっしょうさんのきょうことばもすじがとおるじゃろ | それならば月照さんの京言葉も筋が通るだろ |
だいか、だいかおらんか | 誰か、誰かいないか |
あにさー、ないがあったとでごわすか | 兄さん、何があったのですか |
はなしはあとじゃっ。ふとんをしいて、おゆをわかしてくいやい | 話はあとだ。布団を敷いて、お湯を沸かしてくれないか |
きちべー、おはんどこまですもうをとりにいっちょったとじゃ?まちくたびれたどー | 吉兵衛、あなたはどこまで相撲をとりに行っていたのか?待ちくたびれたよー |
ばあさまはきゅうによわっておいたちのこつもようわかっちょらんでごわす | ばあさまは急に弱って、俺たちのこともよくわかっていないのです |
そげんじゃったか | そうだったか |
だいがたずねてきても、こんくまきちがおいかえしてやいもんそ | 誰が訪ねてきても、この熊吉が追い返してやりますよ |
おお、たのんど | おお、頼むよ |
あいがとございもす | ありがとうございます |
あいわかった。よかとじゃなかか | よくわかった。いいんじゃないか。 |
きちのすけさーのこっじゃっで、さっさとはらをきってとののあとをおったっじゃなかかち、あんじちょいもした | 吉之助さんのことだから、さっさと切腹して殿のあとを追ったんじゃないかと、案じていました |
そいはむずかしいかもしれん | それはむすかしいかもしれん |
ないごてな | なぜ(なのか)?、なにゆえ? |
きちのすけさーはおぼうさんとみをかくしちょってくいやんせ | 吉之助さんはお坊さんと身を隠しておいてください |
だんなさー、ないかわたしにおっしゃりたいこつが | 旦那さん、何かわたしにおっしゃりたいことが |
わかっとか | (なぜ)わかるのか? |
では、ちょうどおつけものもおいしくなったで、こいをもってじっかにいってきもんそ | では、ちょうどお漬物も美味しくなったので、これをもって実家に行ってきましょう |
まだないもゆうちょらん | まだ何も言っていないよ |
ちちはおつけものにめがなかで | 父はお漬物に目がないから |
まってたもんせ | 待ってください |
やまだどの、そいは? | 山田殿、それは? |
とののおなりじゃっ | 殿の御成だ |
たいほう、てっぽう、ぐんかんなんどにもよけいなぜにをつかうことはゆるさん | 大砲、鉄砲、軍艦などにも余計なお金を使うことは許さない! |
まってたもんせ、ちちうえ | まってください。父上 |
なんとしてでん、かまくらいらいのめいもんのしまづをまもりぬいてみせる | 何としてでも、鎌倉時代以来の名門の島津家を守り抜いてみせる |
ちちうえ、はなしがちご | 父上、話が違う! |
ないごてそげなことになったとじゃ | なんでそんなことになったのか? |
こいがおおごえをださんでおられっか | これが大声を出さずにいられるか! |
こげんなったらみょうちょうしろにあがっておとのさまにじきそすっど | こうなったら明朝にお城に上がってお殿様に直訴するぞ |
そいはいかん | それはいかん |
おはんらがあいてにせんにゃならんとはいこくじゃっ。いこくにいいなりのばくふじゃっどが | あなたたちが相手にしなければならないのは異国だ。異国に言いなりの幕府だろうが! |
しかたなか。はんからのおさたじゃっどが | 仕方ない。藩からのお沙汰だろう |
じゃっどがー、きちのすけさー | だろうがー。吉之助さん |
もうしわけございもはん | 申し訳ございません |
とおかさつままですうひゃくりもたびしてもろうたどん、げっしょうさまをおすくいするこつはかないもはんじゃした | 遠い薩摩まで数百里も旅してもらったけれども、月照様をお救いすることは叶いませんでした |
こんとおりでございもす | このとおりでございます |
おそれながらこげなところにおられてよかとでございもすか | おそれながらこんなところにおられていいのでございますか |
そんさきはいうな。おいにちからはなか | その先は言うな!俺に力はない。 |
さいごうとげっしょうさまをおすくいいただけもはんか | 西郷と月照様をお救いいただけないでしょうか |
いいえ。さがいもはん | いいえ。さがりません |
ひさみつさまはこのままでよかとでございもすか | 久光様はこのままでいいのでございますか |
なきおとのさまのごいしをまもりたかちおおもいではございもはんか | 亡きお殿様のご遺志を守りたいとお思いではございませんか |
おまえになりあきらのかわりがつとまるちおもっちょっとか[つとまっちおもっちょっとか] | お前に斉彬の代わりが務まると思っているのか! |
よかか、おいはあにうえではなか | いいか、俺は兄上ではない |
ふたりのいのちなどしったこっか。にどとおいのまえにあらわるんな | 二人の命など知ったことか!二度と俺の前に現れるな! |
おいはあきらめんど | 俺は諦めないぞ |
きちのすけさーをたすけるためでございもす | 吉之助さんを助けるためです |
おねがいしもす | おねがいします |
こげんこつまでして、さいごうのいのちをすくいたかか | こんなことまでして、西郷の命を救いたいか |
よかにおいでごわすのー | いいにおいですねー |
できたどー | できたよー |
きちのすけ、こいがこうつきがわのどろうなぎか | 吉之助、これが甲突川のどろうなぎか |
またうなぎをやいてたもんせ | またうなぎを焼いてください |
こんどはちょっとながくなっかもしれん | 今度はすこし長くなるかもしれない |
だいじょうぶ、ばあさまはこんぶんだとあとひゃくねんはいきもんで | 大丈夫、ばあ様はこの分だとあと100年は生きますから |
あやまるこつはなか | あやまることはない |
ここまでのいのちじゃったとじゃっ | ここまでの命だったのだ |
ちご。おはんはまだまださつまのため、にほんこくのためにいきねばならんおとこじゃっ | 違う。あなたはまだまだ薩摩ために日本国のために生きなければならない男だ |
げっしょうさまをきれば、おはんのいのちだけはたすけてくださるち | 月照様を切れば、あなたの命だけは助けてくださると |
たのむ、いきてくいやい | 頼む、聞いてくれんね |
んにゃ、おいのために、しなんでくいやい | いいえ、俺のために、死なないでください |
よか、きりもんそ | いいよ、切ろうじゃないか |
しょうすけどん、あいがとさげもす。おいのためにここまでやってくれて、まっこてあいがとなー | 正助どの、ありがとうございます。俺のためにここまでやってくれて、ほんとうにありがとうなー |
しょうすけさー、わかさーはぶじにおたちにないもしたか | 正助さん、若様は無事にお発ちになりましたか? |
あのー、ちょっとみょうなこつがあいもして | あのー、ちょっと変なことがありまして |
ないな | 何ですか?[何?] |
わかさーがいのちよりだいじにしちょったたんとうがかざってあいもす | 若様が命より大事にしていた短刀が飾ってあります |
[回想]まっこてあいがとなー | >[回想]本当にありがとうなー |
しもうた。いかせてしもうた | しまった!行かせてしまった |
しょうすけさん、どげんしたとでごわすか | 正助さん、どうしたのですか |
きちのすけさー、しんじゃならんど | 吉之助さん、死んではならないぞ |
そげんことしたらおいがゆるさんどー | そんなことしたら俺が許さないよ |
げっしょうさま、ともにまいりもす | 月照様、ともに参ります |
[予告編]ころせ、おいをころさんかい | >[予告編]殺せ。俺を殺してくれ |
第17回で出てきた鹿児島弁について
「ないごてな」は「なぜですか」「どうしてですか」という意味です。わたし的には「何事な」→「何故な」→「なぜですか」というふうに理解しています。
「たのんど」は「(しっかり)頼むよ」という意味ですが、私は「(しっかい)たのんでなー」とも言います。
第17回の西田敏行さんの最後のナレーション
第17回の最後の西田敏行さんのナレーション「今宵はここらでよかろかい」はありませんでした。先週の第16回は「今宵はここらでよかろかい」だけでしたが、今回はそれさえなくて、これまた、これまでにないパターンでした。
5月13日第18回は「流人 菊池源吾」です。
それでは、また第18回のあとに。
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